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性同一性障害で採用取り消し 元米陸軍大佐が提訴
2005/06/08 01:53
(ワシントン)米陸軍特殊部隊の元大佐で、性同一性障害の対テロ作戦専門家がこのほど、女性として勤務したいとの希望を伝えた後、採用内定が取り消されたと米議会図書館を相手取り、損害賠償などを求める訴訟をワシントンの連邦地裁に起こした。
訴えたのはダイアン・シュローアー氏(49)。04年1月まで25年間、陸軍に勤務。空てい部隊員としてパナマやハイチなどでの作戦に参加し多数の勲章を受ける一方、歴史と国際関係論の修士号を持つ。国際テロ組織の活動を監視する極秘部隊の指揮を担当し、作戦計画をチェイニー米副大統領らに報告したこともあるという。
昨年8月、同図書館の研究部門である議会調査局のテロリズム分析官に応募。男性として面接を受け、同12月に採用が内定した。だが、性同一性障害で通院中で、医師の指導に基づき女性として勤務を始めたいと伝えたところ、「職場にそぐわない」などとして採用が取り消された。
女性への性転換手術を受ける意向のシュローアー氏は性別による雇用差別を禁ずる公民権法違反だと主張、不採用撤回と損害賠償などを求めている。
原告を支援する全米市民自由連合(ACLU)は「能力ある人物を性別を理由に採用しないのは不公正で違法」などと指摘している。一方、AP通信によると、米議会図書館はコメントを拒否した。 |