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台湾、同性愛書店に対する判決を激しく非難
2005/06/11 11:15
(台北)同性愛者活動家は、書店のオーナーに対する法廷判決を公然と非難した。このオーナーは5月31日、基隆地裁によってわいせつな雑誌を売ったことにより有罪の判決を受け、50日間、刑務所に入ることになっている。
ライ・ジェンジェーが経営する台北のジンジン書店はゲイとレズビアン関係の出版物やDVDの販売に特化していた。ライ氏は2003年に税関職員が書店によって輸入された200以上もの雑誌を没収した後に告発された。同じ年、基隆検察が書店に赴き、500以上もの雑誌を押収したが、その中には地元で出版されている「 His 」だけでなく香港で合法的に出版されているものも含まれていた。
先週初め、ライは上訴し正義のために闘いつづけると記者会見で語った。
「基隆の税関職員、検察や裁判官のこの2年間にわたる態度から判断して、私は判決には驚いていない」とライは言う。私達(ゲイコミュニティ)は出版物に何の間違いも無いと信じている。
同性愛者活動家と研究者達は、判決を台湾の同性愛者コミュニティの権利を後退させてしまうものであるとして糾弾し、裁判所が同性愛者の基本的人権を侵害していると非難している。
裁判官にゲイ男性がなぜ書店で売られている雑誌を読むのかと尋ねられて、ライは「異性愛者である男性がプレイボーイを読み、ポルノ映画を見るように、同性愛者男性も性欲を持ち、ポルノグラフィーを読む同じ権利に値するのです。」と答えた。
ジェンダー・セクシュアリティー権利協会のアドバイザーの1人であり、国立中央大学の英語部の学部長であるジョゼフィーヌ・ホーは、この判決は同性愛者の基本的人権を否定するものだとして非難した。
「判決は同性愛者のコミュニティから生ずるどんな性欲も罪であると示している。これは同性愛者の人権を否定するだけでなく、性欲のエンパワーメントと読む自由を罰するものである。これは異性愛者であろうが同性愛者であろうが、私達全員にとって大いなる損失である」とホーは語った。
国立台湾大学の英語教師であるチュー・ウェイチェンはライに対する判決はゲイコミュニティに対して社会的な規範を破らないようにと警告するためのの象徴的な罰であると言った。「ポルノグラフィーを読むのは同性愛者、異性愛者に強雨通の経験です。同性愛者だけをセックスについて読んだり、まして考えたりすることを理由に罰する根拠はどこにもありません。私達はこのような馬鹿らしい法律を廃止すべきでしょう」とチュー は言う。
チューが言及している法律はライが有罪に問われた刑法235条である。235条は「わいせつな文書、絵画もしくは他の作品を他の者に配布、販売したり、公にさらしたり、またそれらを他の手段で見せたものは罰を受ける」と言っている。
ライは上告を予定している。1999年に開店した書店は営業を続けると期待されている。 |