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スペイン上院が同性結婚を認める法案を否決
2005/06/27 10:23
(マドリード)スペイン上院は水曜、同性結婚を認める法案を否決し、ゲイやレズビアン、さらにはロドリゲス・ザパテロ首相率いるスペイン政府に大きな打撃を与えた。
同法案は議会と下院を4月に通過しており、上院でも可決される見通しであったが、反対派の国民党と保守派の地域政党であるカタロニア連合が反対票を投じたため、賛成 131 票反対 119 票で否決された。
この結果を受けてザパテロ首相のスポークスマンは、下院で再投票されると発表した。ここで再び可決されれば、上院には拒否権がないので、正式に法律となる。
しかし、一連の流れを受けてザパテロ首相が譲歩する可能性は高く、また彼が率いる社会党政府に対する上院の支持も失われると見られている。
下院での再投票は議会が夏季休会を迎える来週には行われると考えられる。
週末には国民党とローマカトリック教会が同性結婚反対のデモを呼びかけ、 150,000 人が参加した。
法案の討議が始まるまえに、国民党の党首が、月曜に開かれたこの法案に関する委員会での発言について謝罪を述べた。
この委員会に招聘されたマドリードカトリック大学心理学部のアキリーノ・ポライノ教授は、ホモセクシュアルは一種の病気で、ゲイが養子を引き取った場合、その子供もゲイになると述べた。
教授は「父親が暴力をふるったり、冷淡であったり、あるいはアルコール中毒である場合や、母親が過保護である場合に、同性愛に目覚め、結果として絶望に陥り、癒しをもとめてドラッグに手を出すようになるのです。」と言い、ホモセクシュアルは生まれつきの性質が環境によって引き起こされたものだと説明した。
さらに彼はゲイやレズビアンの家庭で育つと、子供も同性愛者になると述べて、そのような子供が、彼らのアイデンティティを崩壊させるような法案を作ったとして政府を訴え、その代償を求める日が 10 年以内に来るだろうと発言した。
法案が可決されれば、スペインはオランダとベルギーに続いて、同性結婚を認めるヨーロッパで三番目の国家となる。カナダではすでに大半の州で認められており、その他の州でも合法化する法案がすでに議会に提出されている。アメリカ合衆国では同性結婚が認められているのはマサチューセッツ州のみである。 |