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ゲイ・プライドパレードに数百万の人が参加
2005/06/30 16:31
北米を中心とした多数のコミュニティが26日、ゲイパレードを開催した。中でもサンフランシスコ、トロント、ニューヨーク、シカゴは最大のものとなった。今年、全てのパレードのテーマは “結婚”であった。
サンフランシスコ
100万人以上がサンフランシスコ・マーケットストリートに参列し、35周年となるパレードを祝った。
「Dykes on Bikes」(レズビアンバイカーの集団)に先導されたパレードは数ブロックにも及んだ。
群集の中には「我々は結婚に値する。」と書かれたステッカーを身に着けた人も多く見受けられた。
サンフランシスコ市長ギャビン・ニューソム氏は大歓声を受けパレードに参列。
2004年2月、ニューソム市長によりサンフランシスコは、アメリカで初めてゲイ・レズビアンカップルに結婚することを認めた市となった。しかし、その後、この結婚は無効となり、この件に関しては法廷闘争中である。
法的には、今年3月、サンフランシスコ法廷は、同性愛の結婚は合法との結論を出しているが、最終的にはカリフォルニア高等裁判所に持ち込まれる予定である。
その一方で、同性愛結婚を立法化は、議会の手前で足止めの状態にある。また保守派グループは、同性愛結婚の禁止するカリフォルニア州法の改定を求めるのに十分な署名を集める準備を進めている。
ミン・チェン(33)とスティーブ・リビージ(34)は18ヶ月になる彼らの子供のジョシュアとパレードを見物した。彼らは普通に結婚し、子供の養育を望んでいる。
「人々は我々を見て、他の両親と同様に問題に乗り越えていると知って欲しい。」と語った。
トロント
同性愛結婚が合法であるトロントでは、38℃を上回る中、ヨークストリートは100万以上の人出との警察発表がされた。
300以上のフロートと団体が参加。ゲイパレードの中には署長として初めてパレードに参加するビル・ブレア警察署長、 NDP(新民主党)のリーダー、ジャック・レイトン氏、オンタリオの自由党大臣ジョージ・スミザーマンと同性愛表明しているカイル・レイ市議会員が参加した。
同性愛結婚の最終投票を数日に控え、この日トロントのゲイパレードは25周年の迎えた。
カナダの80%の地域では既に同性愛結婚が認められているが、連邦法となった場合には、残りの地域でも同性愛結婚が合法となる。
オンタリオ州で同性愛結婚が合法化されたのは2年前。住民である必要性がない、また待機期間のないことから、トロントは結婚を望むアメリカの同性愛カップルを引き寄せて来た。
ゲイパレードはトロントにとってもビックビジネスであり、地元におよそ100億円の経済効果があると試算されている。
ニューヨーク
ニューヨークの五番街では約50万人が参列、現代ゲイ・レズビアンの発祥の地ニューヨークのパレードを見物した。
1969年6月27 日、ニューヨーク警察第一分署公衆衛生課の警察官8名が、ニューヨークで最大で最も有名なゲイバーストーンウォール・インの正面に到着。その日、中では、多数のゲイが前日に埋葬されたジュディーガーランドの死を嘆いていた。
当時ニューヨークでは、風俗犯罪取締班の定期的な強制捜査が行われており、新聞報道などで身元が判明することを恐れ、同性愛支援者は常に警察に従っていた。しかしこの夜だけは違っていた。
乱闘は一人のドラッグクイーンと警官から始まった。それは口論へと発展、警官が応援を求める頃には、店の外に同性愛者が集まり初めていた。この乱闘は暴動へとエスカレートし、以降数日に及んでいる。これが、同性愛者がコミュニティとして報道された最初となった。
ニューヨークのパレードには、当時ストーンウォール・インで闘争し、現在はリタイアした警官の姿もあった。
ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグ氏とヒラリー・ロッドハム・クリントン米上院議員の姿もあった。
ブルームバーグ市長はパレードのいくつかの地点で、ニューヨーク州法に違反する同性愛結婚の禁止をアピールするためのブーイングを浴びている。
この件は、最終的には最高裁で判決が下されることが予想される。
シカゴ
シカゴの LGBT コミュニティは25日に行われ、ホールステッドストリートを行進した。参加した政治家の中にはイリノイ州知事ロッド・ブラゴジェビッチ氏の顔もあった。
イクオリティイリノイは50万人の人出と発表した。
多数の参加者は同性愛結婚を謳ったプラカードを掲げていたが、実現にはほど遠い。イリノイの州法では結婚は男性と女性の間に限定され、保守派はこの定義を州法とすることを提唱している。
今月の初めに行われた世論調査では、有権者の半数以上が、同姓愛の結婚を禁止する州法の改定には拒否的であるが、多くの人が同性愛結婚に反対をしているとの報告があった。
その他
ヒューストンでは25日にパレードが開催されたが、同性愛結婚の禁止した州法の改正に抗議した。
ヒューストン・イコール・ライト・アライアンスは、同性愛結婚の合法化を陳情する数百の署名を集めている。
ヒューストン・イコール・ライト・アライアンスのマットは「今日、明日ではないだろうが、数年の間にはテキサス州の有権者は、結婚の平等性を支持するだろう。」と語った。
フロリダ州のセントピーターズバーグのパレードは、ヒルズ郡政委員を非難したものとなった。
ベルリン、パリ、その他複数のヨーロッパの都市でも25日パレードが開催された。
(写真提供:Takuya) |