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カナダ同性結婚合法化が下院で可決
2005/07/01 01:55
オタワ(ロイター通信):カナダ下院で、保守派の議員や宗教グループからの重圧な反対にも関わらず、国内における同性婚を許可する法案が28日、可決した。 決議では賛成158、反対133の賛成多数で可決され、同姓婚が合法化されている国はベルギー、オランダであり、これに続きカナダが世界で第3番目の承認国となる。
現在すでにカナダにある大多数の州が同姓婚について認可していることもあり、同姓婚が禁じられている他国に居住する同性愛者にとってカナダは魅力的な国となった。自由党の少数派は、全国の10州のうち8州の法廷で同姓婚を禁止することはカナダ憲法において違憲であると裁決した後に、法案が制定されるべきだったと話した。同性婚、また他の社会問題に対するカナダの緩やかな姿勢は、アメリカとは全く対照的となり、 ブッシュ米政権は米議会に対し同性婚を禁止するための憲法修正を支持するよう動いている。
カナダのポール・マーティン首相は自ら投票する前に、「我々は少数民族で構成された国家であるが故に、権利を単なるえり好みで採択しないことが重要なポイントである。権利は権利であって、今夜のこの投票が全てである。」と述べた。
カナダではこれまでに数千ものゲイ・レズビアンのカップルが誕生しており、もとの国へ戻ることを是認されなくとも、アメリカから移住してきた人々もいる。
教会と反対する保守党は、この法律が組織化した宗教団体や複婚合法化を唱えるグループに影響を与えると言及している。またカナダファミリーアクション連合(CFAC)の代表であるチャールズ・マックベティ氏は、「これは迫害や告発といった概念を持つ人々を効果的にさらけ出すことになる。今日ここでしっかり明示したいのはこの同姓婚合法化が結婚の定義に対する公式な論争の始まりだということである。」
それに対し反対勢力は、教会や宗教圧力に恐れる彼らが同姓婚承認の拒絶・妨害をしたとして訴訟を起こす可能性があると示唆している。事実、この法案ではゲイやレズビアンに正当な結婚の権利を承諾するものだが、宗教団体は同姓婚をするカップルに対して好意を示さないことが明確になっている。また法案に反対した32人の議員は、自由派の党員が抱える恐怖感を鎮めるためになされるべきことがうまく実行されなかったとしている。
マーティン首相は内閣陣営に合法化するよう指示し、また合法化に反対表明であろうとされる副首相のジョー・コムヂ氏を投票前に辞任させた。
なお法案はこれから上院の承諾を得なければならないが、 上院では法案を起草した与党自由党が安定多数を占めており、上院でも可決されるのは確実との見解が強い。
自由立法議員の中には、来年明けに行われる次の連邦選挙での政治的反発に対して恐怖感を募らせている者もおり、保守派のリーダーであるステファン・ハーパー氏は同姓婚に反対することが選挙基盤の大半を形成すると話している。しかしハーパー氏の立場も非常に高い危険性にさらされている。保守党は市民権を台無しにする極右のライバルとして掲げてきたため、2000年、2004年に続いて自由党が優勢であった。
投票後、議会は夏期休暇の為すぐに閉廷され、9月26日に再開予定となっている。 |