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ナイキの同性結婚支持に抗議殺到
2005/07/21 15:05
(米オレゴン州)米スポーツ用品大手ナイキ(同州ビーバートン)が、同性婚に反対する保守系団体の激しい抗議にさらされている。
同性愛カップルに結婚とほぼ同様の法的権限を与える「シビル・ユニオン」について、ナイキが支持を表明したためだ。同性婚問題は先の大統領選で争点となったが、企業経営においても無視できない課題となりつつある。
オレゴン州議会では、同性愛者への差別を禁じ、シビル・ユニオンを認める法案が審議されている。
ナイキは、六月に法案支持を表明し、これに、キリスト教右派の有力団体「アメリカ家族協会」(ミシシッピ州トゥペロ)が「大企業の政治的な見解は、消費者に誤解を与える」とかみついた。
地元紙オレゴニアンなどによれば、七月八日から、十三万を超す抗議の電子メールが同協会のホームページを通じてナイキに殺到。同協会内には、ナイキ商品の不買運動までちらつかせる幹部もいる、という。
これに対し、ナイキ側は、メールを受けていることは認めつつも「多くの人々は同性婚の是非だけでナイキ製品を支持しているわけではない」と平静を装っている。
米国では、こうした事態を招かないように「大企業が同性婚への対応を鮮明にするのは得策ではない」という議論がある。しかし、米マイクロソフト(ワシントン州レドモンド)では今年、ワシントン州議会で審議されていた同性愛者の差別を禁じる法案を支持しないのはおかしいと、社内や同性愛支持団体から批判の声が上がった。
大手企業が傍観を決め込むこともまた、徐々に難しくなっている。(北海道新聞)
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