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イランで再び同性愛者男性が処刑
2005/08/31 02:58
先月に続き、3人目の同性愛者男性がイランで処刑された。イギリスの新聞社オブザーバーに寄せられた情報によると、処刑は今月16日にアラク市で行われたという。
先月19日には、10代の同性愛者2人が北東の街マシャード市で絞首刑となり( http://gayjapannews.com/news/news161.htm )、そのニュースは怒りと共に世界中に瞬く間に広まった。
先月の同性愛者2人の絞首刑について、イラン政府は、この2人の男性は13歳の少年をレイプしたために処刑されたとの主張を続けているが、世界中に存在する権利団体は、イラン政府の主張を信用していない。
先週イラン人の情報活動家は、「もう2人の同性愛者男性が、イスラム法に基づく裁判所によって 同性間性行為と‘レイプ'の容疑で8月27日実施予定の死刑の宣告を受けた」と語った。この情報については、独自に情報確認ができていない。
亡命したイランの同性愛者権利団体のホマンによると、1979年以来少なくとも4,000人の同性愛者がイラン政府により処刑されている。
ヨーロッパの数カ国は、イランでの同性愛者の処刑の事実を受けて、イラン人同性愛者の本国への送還を中止している。アメリカ合衆国とイギリス政府は、この件についてコメントしていない。
ロンドンでは、同性愛者権利活動家たちが、同国内に滞在しているイラン人男性の本国への送還を巡って懸命な活動を続けている。
ある男性は、同性愛者の友人が逮捕された際に、その友人とキスをしているビデオも押収され、イラン国内から逃れたことを裁判官に語ったが、ジョン・フリーマン裁判官は、そのようなビデオが存在したという証拠はなく、本国への強制送還は男性を危険にさらすものではない、との裁定を下した。
しかし、裁定書の中でフリーマン裁判官はこの男性について‘同性間性行為に従事し'、男性のセクシュアリティーを‘偏愛'としていた。
これに対し、イギリスのLGBT権利団体のストーンウォールとアウトレイジは、この男性のイギリスへの亡命を求めている。
ストーンウォールは英国内相チャールズ・クラーク氏に宛てて、この件で調停に入るように緊急要請書を書いた。
要請書の中でストーンウォールは、フリーマン裁判官の裁定文中の言葉は、司法機関の一部が制度上‘ホモフォビック(同性愛嫌悪)'であるという恐れを煽りかねないものだ、とも書いている。
イギリスでは過去2年間で、少なくとも2人の亡命申請をしていた同性愛者男性が、イラン本国への強制送還し、自ら命を絶っている。 |