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シュワルツェネッガー州知事 同性結婚法案に署名せず
2005/09/10 13:08
(カリフォルニア州サクラメント)カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルェネッガー氏は7日水曜日、上下両院で可決された同性結婚法案に対して拒否権を発動すると発表した。
シュワルツェネッガー氏は「火曜日に州議会によって可決された法案は、5年前の住民投票の結果と矛盾するものである」と話した。提案22号(住民投票にかけられる法案)は、合衆国内の他の州や、海外で容認された同性結婚について、カリフォルニア州内では認めないとする内容となっている。
「有権者の声に議会が応えないようなシステムではやっていけない。州民の意をくんで、州知事は法案に対する拒否権を発動する」と州知事の秘書報道官マルジータ・トンプソン氏は声明の中で述べる。
提案22号は「カリフォルニア州においては、男女間の結婚のみが有効であり、容認される」と謳う。一方、シュワルツェネッガー知事が拒否権を発動する法案では結婚を「2人からなる市民的契約」と定義。
2003年のリコールの際にシュワルツェネッガー氏の再選に協力した同性愛者の権利獲得活動家たちは、今回の知事の決断を裏切りだと非難する。
「明らかに、知事は極右派に迎合している。それは、選挙の時に私たちが知事に期待したありかたではない。今まで共和党に投票をしていなかったゲイやレズビアンも彼に投票したというのに、知事は私たちを出しに使った」と話すのは、今回の同性結婚法案を支持していた団体イクオリティ・カリフォルニアの代表、ゲオフ・コース氏だ。
州知事が正式に拒否権を発動するのは10月9日。拒否権発動を発表したものの、シュワルツェネッガー氏は「同性愛者カップルも法律上の保護を受ける権利があり、どんな関係にあるかで差別されるべきではないと信じている」と話していると州知事秘書報道官は声明の中では伝え、「知事は、カリフォルニア州がドメスティック・パートナーシップを結ぶカップルに対し、合衆国で最も厳格な法的保護を与えていることを、誇りに思っている」と加える。
共和党員であるシュワルツェネッガー氏は、以前から法案に対して拒否権を発動する意向を示し、同性結婚法をめぐる議論は、有権者と司法によって決定されるべきとの見解を明らかにしている。
州上訴裁は、提案22号の内容を無効とする今年はじめの下級裁の判決と、結婚は一人の男性と一人の女性からなると初めて規定した州法1978を審議している。同性結婚反対派は、来年行われる州憲法修正についての住民投票で、同性結婚禁止に持ち込むべく戦略を練っている。
カリフォルニア州上下両院での同性結婚法案の通過は、同性結婚を議会が認めた、合衆国内では初めてのケースとなった。同性結婚法を施行しているマサチューセッツ州、シビル・ユニオン制度を敷いているヴァーモント州では、裁判所の決定を経て今に至る。
「知事が議会の暴走を止めてくれること、知事が有権者の声を代弁してくれることを嬉しく思う」と話すのは、同性結婚法案に反対していたサクラメントにある団体キャピトル・リソース・インスティテュートのカレン・イングランド氏だ。イングランド氏は「カリフォルニアでは、有権者の声が大切なのです」と語る。 |