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サラエボ映画祭、ゲイのラブストーリーに大歓声
2005/09/25 20:57
ムスリム(イスラム教徒)とセルビア人の男性二人が、戦争中のボスニアから逃れる間に恋に落ちるという設定のボスニア・ヘルツェゴビナでは論争を巻き起こしそうな映画「Go West」がサラエボ映画祭で上映された。
ロイター通信によると、 同映画の監督を務めたアーメッド・イマモヴィック氏(Ahmed Imamovic)は2500人の映画観衆が集まる中、スタンディングオベーションを受ける絶賛振りであった。
宗教的、保守的なグループは、今回の映画を1992−95年の紛争で無くなった250,000人の死を踏みにじるものだと非難した。
「もし戦争中に同性愛について語るならば、私たちは今とは全く異なったイメージを受けていただろう。」と昨年ムスリムの編集者であるファトマー・アリスパヒック氏は述べた。
同性愛はボスニアの社会ではタブーとされている。
映画の中では、「もしこの戦争が終わったとしても、同性愛者たちはこれからも嫌われ続ける。」というシーンも見られた。 「Go West」は今月モントリーオール映画祭に出展され、世界デビューを飾る。
ボスニア・ヘルツェゴビナ
■首都 サラエボ
■共和国
1992年、ユーゴスラビアから独立。その後、イスラム教徒のボシュニャク人、ローマ・カトリック教徒のクロアチア人、東方正教会のセルビア人の間で内戦が勃発。互いの領土伸張を巡って激しい戦闘の後、1995年に国際連合の調停で和平に調印。現在はNATOの監視下に置かれている。
(セルビア人・クロアチア人は血統や言語がほとんど同じだが宗教のみが違う。) |