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ナミビアの政治家 同性愛者を‘非アフリカ人'と非難
2005/10/01 20:39
ナミビアの政治家が「同性愛者は‘非アフリカ人'だ」との発言し、同性愛者権利活動家から国際的に非難を浴びている。
アフリカ南部に位置するナミビアの内務・移民担当副大臣テオポリナ・ムシェレンガ氏は、アフリカにおけるHIV/AIDSの蔓延を同性愛者のせいであると発言し、同性愛者の性的指向を‘ナミビアの自由獲得に向けた努力への裏切りだ'と述べたと伝えられている。
ナミビアの同性愛者権利活動家は、「ムシェレンガ副大臣の発言はナミビアにおける、同性愛者迫害をあおりかねない」と警告した上で、同氏の退任を要求している。
ジェンダー・ゲイ・レズビアン・オフ・ジンバブエ(GALZ)のプログラムマネージャーであるファザイ・ムパルツァ氏は、「今回の発言は、アフリカ文化に対する侮辱であり、異様なもの。非常に無責任であり、虚偽の発言をしている」と話す。
また、ムパルツァ氏は、ムシェレンガ副大臣の発言とジンバブエ近隣諸国、アフリカ諸国において見られる同性愛者を標的にした政府による差別を比較し、「アフリカにおけるHIV/AIDSの蔓延をレズビアンやゲイのせいにするのは、無謀で馬鹿げている」と声明の中で述べ、「アフリカ南部におけるHIV/AIDS対策活動の中で、HIV感染者に治療を提供するなど、同性愛者コミュニティーは重要な役割を果たしてきた。こういう形で非難される正当な理由はない」と話す。 ムシェレンガ副大臣の発言は、アフリカで同性愛者の権利獲得のために長い間活動を続けているピーター・タシェル氏からも非難されている。
タシェル氏は「ナミビアの同性愛者は、国内問題が起きるたびに罪を負い、国の敵だとして悪魔扱いされてきた。ムシェレンガ氏の不愉快な発言は、ナミビア社会に分裂をもたらし、不寛容を助長するだけだ」と述べる。
国際同性愛者人権委員会(IGLHRC)と人権監視団の報告によると、アフリカ南部では政府主導による同性愛者差別が見られるという。
「レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーといった人たちは、政治家たちによって中傷されてきた。このことが、自分とは違ったものを受け入れないという文化作り上げている。また、差別発言が引き金となって、あらゆる人権侵害をもたらしかねない」とIGLHRCのポーラ・エテルブリック代表は話す。
>>国際同性愛者人権委員会(IGLHRC) |