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米大手製薬会社、HIV新薬の研究で臨床実験を中止
2005/10/02 14:31
(ニューヨーク市)製薬会社グラクソ・スミスクライン社は、HIV新薬の臨床実験が肝臓にダメージを与える危険があるとして中止を発表した。
新薬のアプラヴィロックは、HIVの初期治療薬として使用されていた。研究中止の発表の中でグラクソは、新薬の実験を受けていた患者の中に深刻な肝臓の問題を起こした例が2例あることを示し、それが直接新薬と関係があるかどうかはわかっていないとした。
アプラヴィロックは、ウィルスが細胞に侵入するのを阻止するCCR5と呼ばれる抑制剤を使用した新世代のHIV経口薬である。現在の治療はすでに細胞に侵入しているHIVウィルスの複製を抑止するものだ。 同社は従来のHIV治療薬を使用している患者で、今年後半にも実験を再開したいと述べた。それらの患者は定期的な肝機能検査をうけることになる。
また、GSK感染症薬開発センター上級副所長リン・マークスは発表の中で「我々は、他のHIV治療薬で効果がなく、新薬を必要としているHIV患者に対して、慎重に研究を続けてきた。」と述べた。
一方、ファイザー製薬の同様の新薬の第三期臨床実験は続いている。ファイザー社の製法はわずかに違い、同社は有害な影響は全くないとコメントした。 |