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カリフォルニア州知事 同性結婚合法化の法案に対し拒否権を発動
2005/10/04 18:05
(カリフォルニア州・サクラメント)カリフォルニア州のアーノルド・シュワルツェネッガー知事は9月29日木曜日の発言通り、同州における同性結婚を合法化する法案に対して拒否権を発動した。州知事は、この問題に関して、有権者と司法に判断をゆだねた形となり、来年の選挙での争点の一つとなりそうだ。
「この法案は、州憲法修正問題に、さらなる混乱を招くだけだ」とシュワルツェネッガー知事。
シュワルツェネッガー知事は、州議会が同性愛者カップルに結婚することを容認する内容の法案を通過させた翌日の9月7日、拒否権発動の意向を表明。判決を受けずに立法府が同性結婚法案を可決した例としては、合衆国内で初めてだった。
知事は、「サンフランシスコ選出のマーク・リノ民主党下院議員によって提出された法案は、2000年に住民投票で可決された「男女間の結婚のみが有効」と定める提案第22号に矛盾する」と発言。
また、「州憲法に照らして、州民の投票なしに議会が同性結婚を法制化することは禁じられている。リノ氏の提出した法案は、(議会で承認されたものの)住民に判断の機会を与えていなかった」とも話した。
シュワルツェネッガー知事は、州上訴裁判所が同性結婚を禁止することの違憲性について検討しており、その判断がカリフォルニア州最高裁判所から下される見通しであることに言及した。
「もし同性結婚の禁止が違憲判決を受けたら、法案は必要ない。もし禁止が合憲だったら、法案は無効だ。」とも知事は述べた。
同性愛者であることを公表している6人の州議員のうちの1人であるリノ氏は、知事は市民権のために闘う歴史的機会を逸したと述べる。
「知事は、同性愛者のための公正で平等な法的保護への支持を主張できないのだ。同性愛者にその法的保護を提供することができたであろうまさにその法案に対し、知事は拒否権を発動した。口では何とでも言える。我々は、行動に注目している。リーダーシップに注目している。」(リノ氏)
知事は、拒否権発動にあたって発表した声明の中で以下のように述べている:同性愛者カップルに異性愛者カップルとほとんど同等の権利を与えることを認める州ドメスティック・パートナー法を私は支持している。そして、それら(ドメスティック・パートナー法など)の州法を覆すことには反対だ。レズビアンカップルもゲイカップルも法律上のいかなる保護にも値するし、性的指向やどんな交際関係にあるかで差別されてはならないと信じている。
同性結婚法案は、州の上下両院でかろうじて過半数を得て可決された。知事の発動した拒否権に挑戦して決定を覆すには、両院で 2/3 以上の賛成が必要で、知事の拒否権発動によって決定された事項を、この方法で両院が覆すのに成功した最新の例は20年以上前のことになる。
法案を支持していた同性愛者権利団体イクオリティ・カリフォルニアの報道官エディー・グティエレズ氏は、シュワルツェネッガー知事は、同性結婚法制定の日にちを遅らせただけだと話す。
「我々は、知事の決定に非常に失望している。同性愛者に結婚する平等権を認めることを拒否したことで、彼は同性愛者コミュニティーに背を向けたのだ」(グティエレズ氏)
法案反対派グループのキャンペーン・フォー・カリフォルニア・ファミリーのランディー・トマソン代表は、知事は正しい選択をしたと話す。
またトマソン氏は「有権者は、来年の住民投票で、州憲法に同性結婚の禁止を盛り込む提案に賛成すべきだ」と語ったが、一方で、29日に知事が、同性愛者に幾つかの権利を認める内容の法案に署名したことについては非難をしている。
法案の内容は@ドメスティック・パートナーシップを結んでいるカップルが2人の間で財産の譲渡を行う際に生じる税金の引き上げをしないA退職した教員・公務員に対し、年金を受け取る際プランをドメスティック・パートナーシップに適応したものに変更することを許可するB性的指向や結婚のステータス(結婚しているか、パートナーシップを結んでいるか、未婚であるか など)に基づく職場での差別を禁止した市民権法( Unruh Civil Rights Act )をはじめとする法律を支持した裁判所の決定を、支持するC健康保険プランに言及した反差別法の項目に、差別禁止対象として新たに‘ジェンダー'と‘ジェンダー・アイデンティティー'を加える。(関連ニュース) |