ニュース
マレーシアの政治家「同性愛者呼ばわりされた」と前首相に謝罪要求
2005/10/11 11:50
マレーシアの野党政治家アンワル・イブラヒム氏が9月23日金曜日、前首相のマハティール・モハマド氏に同性愛者であると呼ばれたとして、謝罪と2670万ドルを要求した。
アンワル氏の弁護士サンカラ・ナイル氏は、マハティール前首相に宛てた手紙の中で、アンワル氏に対する支払いと、2週間以内の国営放送を通じての書面での謝罪がなければ、名誉毀損の罪で訴訟を起こすことを伝えた。
マハティール前首相は、アンワル氏がイスラム教国家であるマレーシアでは刑罰の罪とされている同性愛行為を行ったと発言。これに対しナイル氏はアンワル氏に代わって「誤った、不誠実で、実体のないことだ」とする手紙を、報道陣に公開。
マハティール氏は2003年に退陣。先月9月初め、「1998年にアンワル氏を解任したのは、アンワル氏の性的指向が首相代行の職に合わないと見なしたからである」と繰り返し述べた。マハティール前首相の補佐官は、当時、このことについてコメントできないとした。21日水曜日、前首相はアンワル氏が法的措置を検討していることについて、「アンワル氏が同性愛行為に関わっていたことは疑いない」として、アンワル氏の姿勢を軽くあしらった。
アンワル氏は解任された後、金銭汚職とソドミー(同性愛行為)の罪で逮捕され15年の懲役を言い渡されていた。ソドミーの罪については昨年改めて無罪を主張し聞き入れられ、刑務所から出ることができた。汚職の罪に対する服役は、すでに終えている。
マハティール前首相への書面の中で、アンワル氏の弁護士は、マハティール氏の発言は‘安易な人気とセンセーションを巻き起こしたいがためのもの'であり、アンワル氏の名誉を汚すものだったと非難。発言はアンワル氏に精神的苦痛を与え、同氏とその家族を‘社会からの憎悪、中傷、軽蔑、非難'にさらしたと、加えた。
アンワル氏は1998年に、ニュースカンファレンスにてマハティール氏に同性愛者であると呼ばれたことに対し、名誉毀損で訴えを起こし、1999年高等裁判所は「軽薄な司法乱用だ」として、訴えを却下している。 |