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トルコ 同性愛者サポート団体が活動休止の危機に直面
2005/10/11 17:30
トルコ政府機関が、道徳法を犯していることを理由に、トルコ国内にあるLGBT権利サポート団体のうちの一つを閉鎖させようとしている。
アンカラ副知事セラハッテン・エクレモグル氏は、同性愛者サポート団体Kaosを公式に認定することを拒否。Kaosによると、エクレモグル氏は、同団体に対して法的措置に出る予定だという。
トルコ政府が今回の動きに出たのは、KaosがNGOの認可を求めてトルコ内務省を訪れた後であるという。
Kaosは、トルコ国内の同性愛者に貴重なサポートネットワークを提供し、トルコに広がる同性愛者に対する偏見の根絶に取り組む団体。しかし、エクレモグル氏は、伝えられたところによると、同団体を‘道徳法'に抵触しているため、活動の即時休止に直面しかねないだろうと話している。
政府圧力によるKaosの活動休止が現実のものとなれば、トルコ国内で活動する同性愛者の権利擁護活動家から非難が上がるばかりでなく、国外からトルコのEU入りを疑問視する声が上がることは必至。
トルコにおける人権侵害の記録に関しては、いくつかの団体による懸念の声があり、EU入りが実現するかどうかは、トルコ政府が人権対策に本気で取り組む姿勢を見せるかどうかにかかっている。
Kaosの報道官はGay.comに対し、「今回の法的措置を用いるという政府の脅しは、トルコ国内における、政府による同性愛者に対する攻撃の一端に過ぎない」と語っている。
「トルコでは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルでいることは合法だが、性的少数者に対する偏見や迫害は、あらゆるところに広がっている。政府にも、私たち個人の生活の中にも、大きな偏見が存在する」(Kaos報道官)
しかし、同報道官は、EU入りへの努力は引き続き行われるべきだと話す。
「これら(人権侵害など)の問題はあるものの、EU加盟国になることはLGBTを含め、全てのトルコ国民の日常生活にプラスの影響をもたらしてくれることと思う。」
インターナショナル・ゲイ・アンド・レズビアン・アソシエーションのヨーロッパ支局は、トルコ政府に対し、決定の即時取り下げと謝罪を求めている。
パトリシア・プレンディヴィル氏は「私たちは、アンカラ副知事の発言について、またトルコのLGBTグループが活動休止に追い込まれるという動きについて非常に懸念している」と話す。
プレンディヴィル氏は、同様の訴訟が裁判所に多く持ち込まれ、一貫して「同性愛者グループの排斥は差別的である」とする決定が下されていることを指摘する。
Kaosの報道官は、裁判所に議論の場を移すことは、トルコにおける将来の民主主義に向けた強力な動きにつながるかもしれないと期待をのぞかせる。
「トルコはずっと‘東'と‘西'の間に存在してきた。トルコ文化は、東と西の要素を含んでいて、時には両者が衝突することがある」
「トルコのLGBTコミュニティーが直面する問題への解決策を探ることは、EU加盟という将来を含め、トルコの将来の民主主義達成に向けたリトマス試験紙的なものになるだろう」とKaosの報道官は話す。
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