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ジャマイカ人レゲエ歌手が同性愛者差別行為で罰金
2005/10/19 00:17
(キングストン・ジャマイカ)ジャマイカで著名なレゲエ歌手である、ブジュ・バントン(Buju Banton) がゲイの男性6人に暴行を加え罰金を受けていたことが分かった。
バントン氏は昨年、キングストン市のある家屋へ武装した十数人と共に侵入、占拠し、部屋に居た人々に同性愛嫌悪的な言葉を浴びせた上、殴りつけたと警察側は主張。暴行を受けた数人が病院へ運ばれた。
ブジュ・バントン氏(本名:マーク・マイリー)は1990年初頭に“Boom Bye Bye“という同性愛者を強烈に非難した曲で注目を浴び、歌詞ではゲイの頭をガンで打ち抜き、硫酸をかけ、火にかけろと聴衆を駆り立てている。
「この裁判はジャマイカにいるゲイの人たちが公平さを得るための始まりである。」とイギリスを拠点に置く人権団体Outrageのブレット・ロック氏は話した。また当団体は同性愛に批判的なレゲエ・アーティストを排斥する国際キャンペーンを実施している。
「ジャマイカ人の中には、自国に存在するバントン氏の名声や激しい同性愛嫌悪的な態度によって、ひどい暴行を受けた犠牲者の正当性を否定されることを恐れている。」
ジャマイカでは同性愛者間のセックスは違法である。違法となった場合、刑務所に入れられ、重労働を科せられる。
昨年には、もう1人のレゲエ歌手、ビーニー・マン(Beenie Man)のロンドンで行われたコンサートでゲイを殺せ、殴れなどと叫んだため、コンサートは突然中止になった。ビーニー・マンの歌の中には、「俺は新しいジャマイカを夢見ている。全てのゲイを死刑にする。」といった歌詞が含まれている。
そのコンサートが中止されて2週間も経たないうちに、ジャマイカで最も有名なゲイ・アクティヴィスト、ブライアン・ウィリアムソン氏が残忍な手口で殺害された。 彼の遺体が発見されたのはキングストンにある自宅アパートで、ルームメイトが仕事から帰宅した時であった。ウィリアムソン氏はうつ伏せに倒れ、床が血で溢れており、首を何度も刺した痕跡があったという。
また、シズラ(Sizzla)というジャマイカ人の歌手はゲイの男性を数人殺害したとして提訴され、ウェストハリウッドにあるハウス・オブ・ブルースで予定されていた彼のコンサートはLGBT団体の訴えにより急遽取りやめになった。 |