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最高裁判事に指名されたマイヤーズ氏の過去から浮かび上がるもの(2)
2005/10/21 18:17
(ワシントン)連邦最高裁判事への大統領指名を受けているハリエット・マイヤーズ氏は、ダラス市議会議員選挙に立候補した際に受けた質問の中で、同性愛者の権利擁護に賛成で、AIDS教育や患者へのサービスなどは市が責任を持って取り組まなければならない課題だと述べている。
しかし一方でマイヤーズ氏は、1989年の選挙運動中に受けた同性愛者権利団体からのアンケートで、テキサス州ソドミー(反自然的性交)法−後に裁判所によりこの法律は無効とされたが、ソドミー法が存在すれば、マイヤーズ氏はそれを支持する−の廃止には反対であると答えている。
レズビアン・ゲイ・コーリション・オブ・ダラスが行った調査は、マイヤーズ氏が、実際にこれから裁判所に持ち込まれる可能性のある同性愛者の権利問題について、どのような立場、考え方をしているかを理解するための一判断材料となる。マイヤーズ氏は1989年の選挙期間中、レズビアン・ゲイ・コーリション・オブ・ダラスとのミーティングに出席したものの、そのミーティングのなかでマイヤーズ氏は「私は、同性愛者からの支持を求めているわけではない」と話している。
連邦最高裁は、2003年、合意の上での同性間性行為を禁止する法律は無効との判断を、賛成6、反対3で下している。退官が決まっているサンドラ・デイ・オコーナー判事は、賛成派(同法無効派)に票を投じた。
レズビアン・ゲイ・コーリション・オブ・ダラス(後に、他の団体と合併)の創設メンバーの一人であるルイス・ヤング氏は、1989年の選挙期間中にマイヤーズ氏が同団体のミーティングに訪れた時のことを覚えている。
「彼女の回答は全てが悪かったわけではないが、我々は決してそれらを喜ばしいものとして受け止めなかった。彼女は我々の権利獲得に協力的な典型的役人には見えなかったから、私は、なぜ彼女がミーティングに来たのだろうかと思った。」とヤング氏は語った。
「あなたは、ゲイもレズビアンも異性愛者の男女と同じように市民権を持つ権利があると思いますか?」との問いに、マイヤーズ氏は「はい」と答えている。
しかし、マイヤーズ氏はいくつかの質問に関しては非協力的姿勢を示した。例えば、彼女は「住居選定や公共宿泊施設におけるAIDS患者やHIV感染者に対する差別を禁止する法律の必要性については、議論したいと思っています」と述べるにとどまっている。
「資格や条件を満たしている人でも、同性愛者であるという理由で雇用拒否をすることについてはどう思いますか?」との質問には、「雇用者は、全ての重要な要素を考慮した上でその職に最適格だと思う人を選ぶべきだと思います」と答えている。
「市民として、議員として、合意の上での同性愛者の私的性行動を制限したテキサス州刑法を廃止すべきだと思いますか?」という問いに対しては、「いいえ」とだけ答え、それ以上詳しい説明はしなかった。
マイヤーズ氏は、「ダラス市はAIDS教育や患者への支援の分野での責任があり、より多くの資金がそれらの分野に投入されることに賛成である」と述べている。「AIDSの問題は、コミュニティー全体の深刻な問題であると認識しています」マイヤーズ氏は、‘全体の'を強調した。
「普通、わざわざ(ミーティングに)足を運んだのなら、我々の支持を欲しがるはずなのに。とにかく彼女は来たわけだけれど、何か奇妙な印象を受けた」とヤング氏は話す。
「マイヤーズ氏は右派だとか、そういう風には見えなかった」(ヤング氏)
マイヤーズ氏は15年前の調査の中で、同性愛者グループの支持を求めてはいないことを述べている。ヤング氏によれば、マイヤーズ氏がダラス議員として活動した1989-91年の在職期間中、自身を同性愛者支持とも同性愛者反対とも位置づけなかったという。 |