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米最高裁判事候補マイヤーズ氏 大統領指名を辞退
2005/10/30 23:31
(ワシントン)27日木曜日午前、合衆国連邦最高裁判事への大統領指名を受けていたハリアット・マイヤーズ氏が、判事候補から退く決断をした。同氏の判事としての資格をめぐる共和・民主両党からの相次ぐ批判、指名反対派の存在が影響したものと見られる。
数週間に渡りマイヤーズ氏への強い支持を示してきたブッシュ大統領は、同氏の決断をしぶしぶ受け入れる形となった。大統領は上院議会で、マイヤーズ氏の指名辞退について、大統領特権により保護されると行政府が主張してきたホワイト・ハウス内部文書が外部へ漏れたことを非難。
ブッシュ大統領は「上院議員たちが、マイヤーズ氏のホワイト・ハウス在任期間中の発言やメモなどの内部文書−大統領の忠告を聞く能力に疑問を呈しかねない内部文書の公表−を手に入れるまで満足しないということは、明らかだ。ハリアット・マイヤーズ氏の今回の決断は、権力分立という憲法上定められた必要不可欠な側面への彼女の深い敬意の表れであり、私は、そのような姿勢に、彼女への深い尊敬と敬意を確かにした」と述べた。
マイヤーズ氏の大統領指名辞退のニュースは、米中央情報局(CIA)情報漏えいに関する大陪審審理のニュースを待っていた議員たちを驚かせた。
マイヤーズ氏は26日水曜日午前8時30分、大統領に指名辞退の意向を伝えた。同氏による書面は27日木曜日付けで、連邦最高裁判事就任までのプロセスにおいて‘ホワイト・ハウスとその職員に負担をかけることになり、合衆国にとって最大の利益をもたらすものとはなり得ない'とつづられている。
ホワイト・ハウスでの同氏の姿勢に関する内部文書を探しているのは、マイヤーズ氏が最高裁判事に適任であるかどうかを判断するためであると説明した上院議員がいることをマイヤーズ氏は明かした。マイヤーズ氏は書面で「文書などの記録の代わりに、上院司法公聴会では自分のホワイト・ハウスでの姿勢や経歴、司法哲学を明らかにすることが求められるということを、何度も言われてきた」と話している。
「長きに渡る経歴は、私への大統領指名を説明する十分な証拠となると信じていましたが、ホワイト・ハウスの文書を始めとする私に関する情報収集の努力は、指名を受けている間は続くのだということが分かりました」(マイヤーズ氏) |