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フィジー政府 ‘ソドミー法は違憲'との判決に再審を要求
2005/11/07 14:45
(フィジー/スバ)フィジー政府は、最高裁に対し、ソドミー法(同性間性行為を禁止した法律)は、違憲だとする先の判決を見直し、ソドミー法に基づいて高等裁判所で懲役刑を受けた2人の同性愛者男性に対する裁判をやり直すよう求めている。
フィジー高等裁判所は今年8月、ソドミー法を違憲だとする判決を下している。
オーストラリア人のトーマス・コスカー氏(55)とフィジーに住むナダン氏(23)は、今年初め、同性間性行為を行ったとして有罪判決、2年の懲役刑を言い渡された。
一審の判決で裁判所は、同性愛を‘非常に不快にさせるもので、いかなるまともな人にも吐き気をもたらすようなもの'と述べた。
トーマス・コスカー氏とダナン氏は一審の判決を不服とし、高等裁判所に控訴。ジェラルド・ウィンター判事は、ソドミー法−イギリス統治時代に受け継がれた−は、フィジー憲法に矛盾し、それゆえに無効との判断を下した。
ウィンター判事による判決は「憲法が要求しているのは、法律が社会に存在する多様性を認め、個人の尊厳を保障し、市民一人一人への平等な尊重を謳う法律だ」と述べた。
検察局部長は、9月30日、ウィンター判事はフィジー憲法を誤解釈し、刑法が同性愛者を差別し、同性愛者のプライバシー権を侵害しているという誤った判断をしているとして、再審を求めた。
政府報道官は、上訴にあたってはコスカー氏が被告側であり、コスカー氏と同氏の弁護士に宛てて資料が渡されるだろうと話した。 コスカー氏は、既にオーストラリアに戻っており、オーストラリア政府は同氏の身柄引き渡しを行うかどうかをまだ決めていない。 |