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スペイン 同性愛者へ寡婦年金を認める判決
2005/11/08 05:04
(マドリッド)マドリッドの裁判所が、同性結婚をしたカップルへも、異性愛者カップルと同様に寡婦年金を認める判決を下した。
原告は、スペインが同性結婚法を制定させた直後、7月21日に挙式をし、その一ヵ月後にパートナーを失った男性同性愛者。
原告男性は寡婦年金受給申請を行い、裁判所は、政府に対して、同性結婚法に基づいてこの男性に年金を支給するように命じた。スペインで同性愛者(パートナーが死亡する前に同性結婚を行っていた者)に対する寡婦年金が支給されるのは初めてのケース。
野党国民党は、裁判所の判断を非難。国民党は、同性結婚法は違憲であるとして、憲法裁判所に訴えを起こした
また、同性結婚法への議会投票が行われた6月には、投票前に国民党とカトリック教会がマドリッドで大規模なデモ行進を行った。
今回の裁判所の判断は、通常は結束の固い国民党を揺るがしている。国民党議員の中には、党を反動的であると見なす人もおり、世論調査でも同党をそのように思っているスペイン国民が多いことが分かっている。
今月初めに行われた世論調査によると、60%の有権者が国民党に対し、同性結婚法を無効にして欲しくないと考えており、29%が党の同性結婚反対の姿勢をポジティヴなものと見なしている。(>>関連ニュース) |