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スウェーデン国教会 シビル・ユニオンの承認に向け準備
2005/11/09 23:30
(ストックホルム)スウェーデン国教会は、同性愛者カップルにも礼拝式を行えるようにする提案を承認すると見られている。
提案はすでに、有力な教会小委員会で可決されており、スウェーデン国教会に属する全ての教会が集まる会議において、最終決断を下す見通し。
礼拝式での承認を受けるには、同性愛者カップルは、パートナーシップ同意書に署名していることが必要。
スウェーデンでは同性結婚は認められていないが、役所で届け出を行うことによってシビル・ユニオン(パートナーシップ)を結ぶことができるシステムを導入している。同性愛者カップルは多くの法的権利を認められているが、結婚した異性愛者カップルに付与される権利の全てではない。
同性愛者カップルの承認については、教会小委員会の全てのメンバーが、賛成しているわけではない。司祭の一人であるアルヴ・スヴェッソン氏は、提案は教会の土台を揺るがしかねないと懸念を示す。
ヴェッソン司祭は、教会新聞キルカンス・ティドニングに対し「提案は、同性愛は罪であるとしている新約聖書に抵触する」と語った。
LGBT権利団体は、必ずしもこの教会の姿勢を喜んでいるわけではない。多くの団体は、教会が異性愛者カップルに行う礼拝式と同様のものを同性愛者カップルにも提供するならば、教会の姿勢を好意的なものとして受け止めたかもしれない。
「教会が同性愛者の存在を容認するのは前向きなことだと思うが、やはりその内容が不十分である感はぬぐえない」と話すのは、スウェーデン最大の同性愛者サポート団体RFSLの議長を務めるSoren Andersson氏だ。
「同性愛者がその存在を容認されるまで、30年もかかった。異性愛者カップルと同じ承認を受けられるようになるまで、さらに30年もかからないことを祈る」(Soren Andersson氏)
スウェーデン政府の委員会は現在、パートナーシップ法を改正し、将来同性結婚を認める方向で準備を進めている。現在ヨーロッパ諸国で同性結婚法を有するのは、オランダ、ベルギー、スペインの3カ国。政府委員会が同性結婚法成立を確実にするまでには、少なくても1年以上がかかる見通し。 |