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性感染症が男性間で流行〜同性愛者の無防備な行為が原因
2005/11/11 18:02
(アメリカ)U.S. FrontLine伝えるところによると、同性愛の男性による無防備な性交渉が原因で、梅毒の感染が国内で急速に広まっているという。また、一般的な抗生物質が効かない淋病患者が増えていることも分かった。米疾病対策センター(CDC)が明らかにした。
ロサンゼルス・タイムズによると、女性とマイノリティ(少数人種)の性病感染率が減少傾向にある一方で、男性同性愛者の感染率が増えている。性病は、国内患者数が2000万人近くに上る深刻な問題で、エイズ・ウイルス(HIV)を含む性病の治療コストは年間130億ドルに達する。
1990年代、各種保健機関が対策に乗り出した影響で梅毒の感染者は減少し、2000年には統計を取り始めた1941年以来、新規感染者が最少となった。ところが00年から04年にかけて感染者は29%も増え、7980人を数えた。感染者のほとんどが男性だった。また、04年に梅毒に感染した人の64%は男性の同性愛者で、約5%だった99年から急増している。
性病感染の流行は、治療が難しいエイズ感染の増加につながるため、専門家は懸念を深めている。CDC性感染症予防部門のロナルド・ボルディセリ氏によると、危険な性交渉が増えた原因の1つには、覚せい剤メタンフェタミンの流行がある。
04年、梅毒患者の割合が最も高かった都市はサンフランシスコで、人口10万人中梅毒患者が45.9人だった。次がアトランタの34.6人、ボルティモアの33.2人と続く。
一方、淋病患者の割合は10万人中113.5人(全米で約33万人)で、1941年以来最低となった。ただし04年は、淋病の治療でまず与えられる抗生物質フルオロキノロンが効かなかった患者の割合が前年の4.1%から6.8%に増えた。男性の同性愛者では薬に耐性を持つ割合が23.8%と、異性愛者の8倍にも上る。
一般的な性病ではクラミジアの感染者も増えており、04年は5.9%増の92万9462人(10万人中319.6人)となった。クラミジアの場合、自覚症状がない人も多いため、実際の感染者数は最高で280万人と推測されている。
すべての性病感染者数は、累計で約1900万人に上り、うちおよそ半数が15〜24歳。(U.S. FrontLine)
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