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カナダ 同性結婚に反対した議員が新民主党を離党
2005/11/15 15:38
(オタワ)同性結婚法案に反対票を投じる新民主党では唯一の議員となった時、ベヴ・デジャレ氏は、後に自分が大変な状況におちいることを知っていた。今、デジャレ氏は失職の危機にある。
デジャレ氏は、次期選挙への政党からの推薦を失った。デジャレ氏の代わりにマニトバ州北部チャーチルで新民主党からの推薦を勝ち取ったのはニキ・アシュトン氏。アシュトン氏は、マニトバ州で政権を担当する大臣の娘。
新民主党は、単独で議席の過半数を持たないポール・マーティン首相率いる自由党を支え、LGBTの権利獲得に惜しみない支持を送ってきた。同性結婚法をめぐる6月の連邦議会での投票では、法案可決に大きな役割を果たした。
デジャレ氏は、結果を予測できたはずであった。同性結婚法案に反対票を投じた直後、新民主党ジャック・レイトン党首により、いくつかの役職から解かれた。
レイトン党首の報道官は、どの候補を推薦するかは、選挙区にある党支部に任せるのが当然だと主張しつつ、新民主党が公式にデジャレ氏への推薦に反対しているわけではないと話した。しかし、政党が発表した声明にはデジャレ氏の名前はなく、アシュトン氏を公認候補とするという内容だった。
先月、デジャレ議員は新民主党を離党した。同議員は残りの任期を無所属として終える予定。来年春にも予定されている選挙ついて、デジャレ氏が引退するか、または無所属として出馬するかは不透明。
新民主党の国会議員からは、デジャレ氏の離党を残念がる声も聞かれる。同議員は、過去8年間をチャーチル選挙区の代表として努めてきた。
「これは我々の政党にとって大きな痛手だと思っている」−新民主党ピーター・スタッファー議員は、グローブ・アンド・メール紙にこのように語った。
同性結婚法をめぐっては、与党自由党でも議論が割れたが、反対票を投じたかどで懲戒になった議員はおらず、当時の北部オンタリオ経済開発担当大臣ジョー・コムジ氏が大臣職を辞したに止まっている。同性結婚法案への投票では、自由党議員は党議拘束なく票を投じることができたものの、ポール・マーティン内閣閣僚は賛成票を投じることを必要とされた。 |