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ブッシュ大統領 保守派アリート氏を最高裁判事に指名
2005/11/20 12:53
(ワシントン)ブッシュ大統領は、先日ハリアット・マイヤーズ氏が連邦最高裁判事指名を辞退したことを受け、10月31日、穏健派サンドラ・デイ・オコーナー判事に替わる保守派のサミュエル・アリート判事(現合衆国第三裁判区判事)への指名を発表した。アリート氏への指名は、司法積極主義を非難されている連邦最高裁判所の建て直し、大統領の政治基盤の強化を目論んでのものと見られる。
アリート氏への大統領指名の発表に当たり、先月31日大統領は「アリート判事は、合衆国で最も熟練した、尊敬されている判事の一人である。同判事は、法を深く理解し、司法への多大な貢献をしている」と述べ、上院司法委員会に対し、年末までにアリート判事の連邦最高裁判事就任を承認するよう強く求めた。
ブッシュ大統領のアリート氏への指名は、政治的対立を引き起こすものとなりそうだ。右派からの強い圧力により指名辞退を決意したハリアット・マイヤーズ氏の場合とは異なり、アリート判事の指名に関しては、民主党から反対の声が上がっている。
ネヴァダ州上院議員ハリー・リード氏は「上院は、マイヤーズ氏に替わって指名を受けたアリート判事が適任であるかどうかを見極める必要がある」と話した。
マイヤーズ氏とは対照的に、大統領によるとアリート氏は‘過去70年間に最高裁判事指名を受けたどの人物よりも、多くの司法経験がある'。
一貫した保守派で知られるアリート氏を、同じく保守派で知られる連邦最高裁のアントニン・スカリア判事と比較して‘スカリト'や‘スカリアライト'と呼ぶ弁護士もいる。しかし、スカリア判事が率直で知られているのに対し、アリート氏は礼儀正しく、物静かで、穏やかな人物であると言われる。
アリート氏の連邦最高裁判事就任を遅らせたくないホワイトハウスは、31日の大統領からの指名発表の後、早速アリート氏の上院議会訪問を準備。
同日、共和党のビル・ファースト議員がアリート氏のために上院議会内を案内し、公民権運動の先駆者で先日亡くなったローザ・パークス氏の棺の安置されている場所へ向かった。 |