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フランス 著名な大司教が同性結婚を擁護
2005/11/21 13:14
(パリ)貧困に苦しむ人への救済活動などで知られるフランスのローマ・カトリック教会のアッベ・ピエール司祭が、新しい著書の中で、若かりし頃に性的経験があり、また聖職者の結婚問題に関しては賛成であることを明かしている。
93歳になる同司祭は、フランスで最も愛されている公人の一人であり、『 Mon Dieu…Pourquoi? (英題: My God…Why? )』'の著者である。著書の中でピエール司祭は、同性愛者カップルへの支持、女性の司祭職就任を提案する。
司祭は、故ヨハネ・パウロ II世や現教皇ベネディクト XVI世(前ヨセフ・ラツィンガー大司教)の「女性の司祭職就任を認めない」との主張を「今まで一度も理解できたことがない」と認めている。
週刊 Le Point誌は出版予定の『 Mon Dieu…Pourquoi? 』からの抜粋文を掲載し、同書が‘幸福'‘原罪'‘地獄'といったテーマ、教会の教義に触れていると伝える。
アッベ・ピエール司祭は、若い時に聖職者になることを決意し、純潔の誓いを行ったという。しかしながら司祭は著書の中で「聖職者になることを決意しても、欲望から逃れることはできなかった。過去には、その欲望に屈してしまったこともある。しかし私は、性的欲求が自分の中に根を張ることを拒み続けたため、継続的な交際というものをしたことはない」と話す。
「私は先にお話したように、性的欲求による経験をしたことがあるし、それはとても珍しい充足感であった。しかし、この充足感は、「これは本物ではない」と私が感じていたために、真の意味での不満足の源であった。私は、十分に満足するためには、性的欲求は、愛に満ちたやさしい、信頼できる関係の中で表現される必要があると感じた。私自身は、聖職者になる選択をしたために、それを実現することはなかったけれど」(『 Mon Dieu…Pourquoi? 』より)
同性愛者の関係について、ピエール司祭は「‘結婚'よりも‘ユニオン'という言葉を用いる方が好ましいだろう。‘結婚'(という語)は、一人の男性と一人の女性のつながりを指す語として、人々の意識の中にあまりにも深く根付いている」と話している。
アッベ・ピエール司祭は、元抵抗運動参加者であり元議員。貧しい生活を強いられている人たちへのためにフランスで活動するエマオ・アソシエーションの創設者でもある。 |