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連邦最高裁判事候補アリート氏 考えられているよりも同性愛者に寛容か?
2005/11/25 12:28
(ワシントン)連邦最高裁判事指名を受けているサミュエル・アリート氏が、考えられているよりもリベラルで、同性愛者に対して寛容であるかも知れないことを示す内容の新しい文書が見つかった。
プリンストン大学学部生時代にアリート氏の率いた学生研究班は、ソドミー(同性間性行為 や獣姦など、‘自然に反した性愛'とされる。旧約聖書に記された、都市ソドムにちなむ称 )を刑罰対象から除外することで意見をまとめ、雇用における同性愛者に対する差別は‘禁止されるべきである'とした。また、米国中央情報局( CIA )や連邦捜査局( FBI )による市民のプライバシー権侵害を糾弾している。
1971年のレポートの中でアリート氏は 「現代アメリカにおいては、プライバシー侵害に関する脅威を感じる。我々は、プライバシーが、他の重要な事柄のために頻繁に侵害されていると考えている。プライバシー権の侵害は急増しており、我々は権利を守るために何らかの対策が講じられなければならないと考えている」と書いている。
研究文書は1971年に学部生だったアリート氏と16人の学生が作成したもので 、今回ボストン・グローブ紙がシーリー・ G ・マッド公文書館から入手。
ボストン・グローブ紙によると、研究は‘アメリカ社会におけるプライバシーの境界'について調べるために公共政策を学ぶ学生に課された宿題だった。
ボストン・グローブ紙のインタヴューを受けたアリート氏の同窓生ジェフェリー・ G ・ウェイル氏は、アリート氏はクラスの中でも優等生であり、後輩の研究文書作成に助言をする役として選ばれたと言う。ウェイル氏は「アリート氏は、研究全般に渡って後輩を手伝い、文書の提言として序論部分を書いた」と話した。
「これは、アリート氏の考え方への洞察を与えうる、希望の持てる表れだ」と話すのは、ヒューマン・ライツ・キャンペーン代表ジョー・ソルモニーズ氏だ。
ソルモニーズ氏は「34年前、アメリカの同性愛者のために立ち上がる人はほとんどいなかった。当時闘っていた人たちは、あれからずっと進化をしてきている」と話したが、判事承認プロセス期間中、全てのアリート氏に関する文書を考慮しなければならないと警告する。
「我々は、現在から上院司法公聴会までの間、さらにアリート氏について調べ、知らなければいけない。同氏のプライバシー権や憲法に対する考え方などについてもさらに調査することが重要だ」とソレモニーズ氏は話した。 |