ニュース
マレーシア トランスセクシュアルの結婚が無効に
2005/11/27 12:49
(クアラルンプール)マレーシア政府が、男性とトランスセクシュアルであるパートナーの結婚−イスラム教徒の多いマレーシアでは、トランスセクシュアルとパートナーの第一号カップルとみられる−の認知を拒否していたことが明らかになった。
マレーシア人でキリスト教徒のビジネスウーマンであるジェシー・チョン氏(30代)は2年前に性転換手術を受けた。同氏は、アメリカで学んだ栄養士で、現在クアラルンプールで健康セラピービジネスを営んでいる。結婚式のコーディネーターを務めたブライアン・チョート氏によると、チョン氏は12日土曜日、ボルネオ島東部にあるホテルでジョシュア・ベー氏と式を挙げた。
会計士であるベー氏と新婦チョン氏は、結婚証明書を取得していない。チョート氏によると、結婚式は独立した三教会の司祭によって行われた。
しかし、マレーシア内務省タン・チャイ・ホー副大臣は、マレーシアでは、同性結婚が違法とされているため、同政府はチョン氏・ベー氏の結婚を法的婚姻としては認めないと話す。タン副大臣は「もし私の記憶に間違いがなければ、このような結婚式がマレーシアで行われたのは初めてのことだ。この結婚は無効である。つまり、彼らには法的な配偶者としての地位が与えられないということを意味する」と国営ベルナマ通信社に語った。
タン副大臣によると、マレーシアでは、性転換手術を受けた後であってもトランスセクシュアルには法的性別の変更が認められないため、戸籍上のチョン氏の性別は‘男'となっている。チョン氏(手術前の名前はジェフェリー・チョン)は、タン内務副大臣のコメントについて伝えられていなかったが、「政府が私たちの結婚を正式なものとして認めないことは、受け止めている」と、チョート氏に話していると言う。
「彼女は、伝統様式の結婚式を挙げたことで、自分の夢が叶ったと感じている」とチョート氏は話す。チョン氏から直接のコメントは得られていない。
マレーシアにある2,000以上の教会を代表するマレーシア福音協会全国組織は「チョン氏の結婚を認めない」としている。
「我々は、この結婚は適切ではないと強く思っている」と同団体の事務総長ウォン・キム・コン氏は話す。披露宴には800人を超える家族、友人が出席し、その費用は$55,000(\6,600,000)と報じられている。 |