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人権擁護法の政府原案を一部修正
2005/03/31
政府が今国会に再提出する予定の人権擁護法案について、法務省は30日、救済の対象となる事案を絞りこむなど一部修正する案を自民党側に示した。同党内にある「人権侵害の定義があいまい」などの批判を受けた。各地で相談を受ける人権擁護委員を日本人に限る「国籍条項」については、導入に反対している公明党に配慮して「保留」としている。
03年に廃案となった同法案をめぐっては、与党人権問題懇話会(座長・古賀誠自民党元幹事長)が2月に再提出方針を決め、法務省が準備を進めた。だが、自民党内で「人権侵害の定義が不透明で、特定の外国人の団体に悪用される」「人権擁護委員は日本人に限るべきだ」などの批判が出ている。
こうした批判を受け、法務省は法案の中に、救済制度の乱用を禁止する条項を新たに加えるほか、付随する規則で抽象的な差別は救済の対象にならないことを明記するなどして、訴えられた側の権利を保護する修正を加えることを検討している。30日、こうした内容について古賀氏ら同懇話会のメンバーらに示した模様だ。
古賀氏らは修正案を基に党内調整を進め、今国会提出を目指すが、国籍条項の挿入を強く求める勢力もあり、今後の議論はなお曲折も予想される。
人権擁護法案
(http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken83.html) |