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学校には同性愛恐怖に立ち向かう責任があるとの判決
2005/04/12
(カナダ・バンクーバー)同性愛恐怖によるいじめを受けていた学生が、教育委員会に責任があるとして訴えていたことについて、高等裁判所は教育委員会に責任はないとした判決を下していた。しかし、ブリティッシュ・コロンビア最高裁判所はこの判決を覆し、教育委員会に責任があることを認めた。
ブリティッシュ・コロンビア最高裁判所によれば、アズミ・ジャブラン少年は同性愛差別のいじめを5年もの間受けていた犠牲者であり、彼の通う北バンクーバーにあるハンズワース中学校は生徒による同性愛者への罵倒を止めさせる義務を怠った、というのである。 また裁判所は人権法廷により支払いを命じられ、後に高等裁判所によって破棄された4500ドルの判決額も復権させた。
高等裁判所は、1993年から1998年まで彼がハンズワーズ中学校に通っていた間、日常的に「ファゴット(同性愛者)」「ホモ」「ゲイ」などと呼ばれていたという証拠があるにもかかわらず、セクシュアリティーに基づく嫌がらせを受けていたというジャブラン少年の主張を無視している。彼は様々なものを投げつけられ、蹴られたり唾を吐き掛けられたりしていた。 またいじめていた生徒らは彼を酸の中に突き落とす、ほうきの柄で犯すなどと脅していた。 学校のキャンプ合宿では彼のテントには小便が掛けられたこともあった。
テリー・ショー校長は、「ジャブラン少年ほどひどい嫌がらせを受けた生徒は今まで見たことがない、しかし13000人ほどの生徒に対してたった70人の教員では、いじめを完全に止める手立てはなかった」と証言している。
高等裁判所の判決では、「ジャブラン少年はゲイではないため、同性愛恐怖による被害を受けたとして訴えることはできない」ということだったが、これはLGBT活動家を憤慨させた。
この判決を覆した州の最高裁判所は、「高等裁判所は明らかに間違っており、ジャブラン少年が性的な立場を理由に差別を受けていたことに疑いの余地はない」と説明している。
この判決は州のあらゆる教育委員会にとって、生徒の行いについて法的責任を取らねばならないのは教育委員会である、という警告でもある。
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