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元南オーストラリア州知事のパートナーが年金を要求
2005/04/19 22:12
(シドニー、オーストラリア)南オーストラリアで最も革新的な政治家の一人であったドン・ダンスタンの残されたパートナーが、ダンスタンの年金を得るために争っている。
ダンスタンは1970年代に、南オーストラリアの政界を牛耳っていた。彼は政権を握っている間に、オーストラリアで最も革新的な一人として頭角を現した。飲酒を禁止した法律は自由化され、人種やセクシュアリティに基づく差別を禁止した法案は議会を通過し、合意に基づく同性愛者同士の性的行為は処罰の対象から外された。彼は、13年間連れ添ったパートナー、スティーヴン・チェンを残して1999年に死去している。
かつて成功を収めたシェフであったチェンは現在、2人の男が共同で暮らす家で貧しい生活を送っている。もし彼の要求が認められれば、彼は年に107,000オーストラリアドル(約880万円)のダンスタンの年金を受け取ることになる。
彼はまず1999年に、配偶者年金を請求したが、その時点ではまだ州が同性カップルを承認していなかった為に却下された。しかし2003年、法が改正され、同性カップル認識に対する基盤が固められた。
新しい法律は、パートナーと共に5年以上継続して暮らしている者は誰でもそのパートナーの配偶者として見なす、というものだった。
チェンは再びダンスタンの年金を請求したが反対に遭い、州議会の法案は2003年以前の(同性愛者のパートナーによる)年金請求をすべて無効にした。
「私は請求書を支払い、家を維持しようと努力しているが、それは簡単なことではない」と、チェンはアデレイズ・サンデー・メール紙に話す。
「全てがあっという間の出来事だった。肺ガンと診断されてからたったの4ヶ月後に彼は死んでしまった」
チェンは、議会に出された法案は直接に自分を狙ったものだと思う、と話す。「その法案は私をターゲットにしているように見える。私には、“死去した政治家の同性パートナー”という状況に置かれた他の誰かなんて、思いつかない」とチェンは新聞社に語った。
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