News
スペインで同性結婚を認める法案が最初の関門を突破
2005/04/23 00:47
(マドリード)スペイン下院で木曜、同性結婚を認める法案が可決された。この法案の中では、同性結婚について「当事者どうしが同性であるか異性であるかということに関わらず、等しい夫婦生活を送れるようにするべきだ」と述べられている。また、ゲイが養子をとることも認められている。
この法案は賛成183票、反対136票、棄権6票で可決され、現在は上院で討議されている。上院にはホセ・ルイス・ロドリゲス・ザパテロ首相率いる社会党員が多く、法案の通過はほぼ確実視されている。
上院での投票は数週以内に行われ、可決されれば、この夏にも同性結婚が合法となる。
ザパテロ首相は昨年の選挙で社会党が圧勝した直後に、この法案を議会に提出することを宣言した。
これによってカトリック教会の激しい批判を受け、ザパテロ首相はローマ教皇ヨハネ・パウロに呼び出され、教皇の訓戒を受けた。しかしザパテロ首相率いる内閣はこの圧力に屈することを拒んだ。
政府の運営する機関が昨年6月に実施した世論調査では、66%の国民がこの法案に賛成しており、反対したのは26%にとどまった。
スペインでは1939年から1975年まで続いたフランコによる独裁政権によって同性愛が禁じられていたが、1978年に制定された新憲法で性差別が非合法化され、それからまもなくして同性愛も解禁された。
同性結婚はオランダやベルギーではすでに認められており、他のEU加盟国でも同性愛者を認める何らかの規定がある。今年の12月にはイギリスでも同性カップルの登録が可能となる。
北米では、カナダのほとんどの州が同性結婚を認めており、カナダ全土でもそれを認める法案が議会に提出された。アメリカではマサチューセッツが同性結婚を認める唯一の州であるが、バーモントとコネティカットでも同性カップルに結婚と同じ権利が認められており、カリフォルニアを含むいくつかの州でも同性愛者がその関係を登録できるようになっている。 |