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同性愛カップルに年間数千ドルの負担
2005/05/03 00:23
(ニューヨーク)4月15日の締め切りを前に、数百万の既婚カップルが所得申告に署名し、申告書類を送るなか、同性愛カップルは平等な結婚の権利が認定されていないため経済的に大きく不正な扱いを受けている、という新しい調査結果が発表された。
このレポートは同姓愛結婚に関しての法案が縮小方向にあり、その後シビルユニオン(結婚と同等または同等に近い権利を同性間にも保障した法律)を検討しているコネチカット州が対象となっている。
代理人であるテランス・ドアティが、ニューヨーク市の法律事務所パタソン・ベルクナップ・ウェブアンド&タイラー弁護士会と共に準備したこの調査は、全米ゲイ・レズビアン・タスク・フォース(the National Gay and Lesbian Task Force Policy Institute)とラブ・メイクス・ファミリー(Love Makes a Family of Connecticut)によって3月24日に発表された。
『コネチカット州と連邦法における結婚の経済的利益』と題されたこの調査は、連邦及び州法下の所得税、社会保障利益、贈与税、遺産税、労働者の補償、および死亡給付における一連の税の優遇などにおいて、コネチカットの同性愛カップルの不利益についての初めての包括的な分析だ。
コネチカットに住む2組のカップルが、彼らと彼らの未成年の子供にかかる実際の生活費を査定し明かにしている。
一組目は共に50代のステファン・レナルディとアンドレア・クリフト。彼らは年間約75,000ドルの収入があり、収入の約25%にあたる2,689ドルを同程度の収入のある通常の夫婦より余計に収めている。これは彼らが所得税総合申告書(夫婦の収入を合わせて一本にした申告)に登録出来ないためだ。
また、ステファン(コネチカット州の被雇用者)が労働災害により死亡した場合、彼の配偶者は労災保険による給付金より、1ヶ月2,862ドル(年間34,344ドル)支給される。しかしステファンとアンドレアは婚姻が出来ないため、アンドレアには支給されないだろう。
同性愛カップルが婚姻できないために生じる一生涯の経済損害の総合額を見積もることで、この調査は一歩踏み込んだ分析をしている。
例えば、ステファンとアンドレアに掛かる合計の負担額(予想寿命での総合額と含まれる所得税の損失、社会保障結婚、遺族給付)は、潜在的な税金を節約するために投資をしないと計算した場合、最低でも212、176ドルに上る。
もしステファンが200万ドルを残し死亡、その後アンドレアに譲渡された場合、アンドレアの負担額の総計は751,101ドルを上限に引きあがる。彼らが婚姻している場合、この負担は生じない。
二組目のローレンス・Bとダニエル・Rは22年間連れ添い、3人の養子を育てている。
ローレンスは一家の大黒柱、ダニエルは現在所得がなく主夫、そのため社会保障退職金を受け取るにあたり、不適格であるかもしれない。
連邦法の下では、配偶者はその夫または妻の2分の1の社会保障退職金を受け取る資格がある。
しかしローレンスとダニエルは結婚が出来ないため、二人併せた社会保障退職金は、彼らが結婚できた場合と比べると、退職の年齢までに月額1,030ドル(年間12,360ドル)の負担となる。さらに彼らが法的に結婚でき、ローレンスが退職の年齢に達する前に死亡した場合、ダニエルの社会保障生存者利益は月1,952ドル、年間23,424ドルになる。しかし彼らは結婚が出来ないため、ダニエルは何も受け取れないだろう。
「同性愛カップルは税金をより支払っているが、所得申告からの返金はより少ない。」と全米ゲイ・レズビアン・タスク・フォースの事務局長マット・フォーマンは語る。
「これらの不公平は憶測ではない。それらは今まさに、税金を支払っている勤勉なコネチカットのカップルに負担を掛け、時として家族の悲劇と喪失となっている。」
コネチカットの同性愛カップルが結婚を認められたとしても、連邦法の結婚擁護法では彼らは連邦からの社会保険を受け取ることは認められない対象となるだろう。しかし多くは、結婚擁護法は違憲で無効か廃止になる可能性がある、と見ている。
また大統領と議会が、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーに対して、同性愛結婚のカップルに連邦の保護の平等権により支持的になる可能性もある。
コネチカットの同性愛カップルが直ぐにはこれら連邦法の保護を受けられない一方で、彼らが婚姻を許された場合、将来的には彼らにはこれらの保護を受ける可能性もある。しかし同性愛カップルがシビルユニオンとしてのみ認められた場合、現連邦法の下では彼らは連邦の社会保障、保護を受け取ることは決して出来ない、とフォーマンは言っている。
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