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スイスで同性カップルの権利を巡る国民投票
2005/05/27 20:13
(チューリッヒ)ヨーロッパ諸国では、ゲイやレズビアンの関係を規定する法律の決定はこれまでのところ、政府によってなされてきた。しかしスイスの有権者は 6 月 5 日に、同性カップルの権利を認めるシビルユニオン法に関する国民投票を、ヨーロッパではじめて行うことになった。
オランダとベルギーでは同性どうしの正式な結婚がすでに認められているが、他の EU 加盟国での対応は、国によってさまざまである。
スイス議会では昨年 6 月に、同性愛者の関係を登記してある程度の(主に年金の範囲や相続権、税金などに関して)権利を認める法律を制定した。しかし、連邦民主連合という保守派で宗教色の強い小政党の率いる反対派が十分な署名を集めたので、国民投票が行われることになった。
この政党は、同性カップルの権利を認めることは伝統的な結婚の崩壊につながると主張している。
一方、クリストフ・ブロッハー司法相はこの主張に反対しており、この法案が伝統的な結婚と同じ権利を与えるものではなく、同性カップルの養子縁組や生殖治療(体外受精などによって子供をつくること)は認められないことなどを指摘している。
ジュネーブ、チューリッヒ、ヌ−シャテルにはすでに登記をすませた同性カップルがいる。チューリッヒでは、州法が 2003 年 7 月に施行されて以来、 483 組が登記した。
スイスの教会はこの法案をめぐって対立している。ローマカソリック教会は反対しており、一方でスイスプロテスタント教会連合は賛成している。
※シビルユニオン:同性のカップルにも、一般の夫婦と同等または同等に近いの利益と保護を認めた法律 |