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モスクワ・プライド禁止めぐる裁判 欧州人権裁判所へ
2007/07/05 01:58
(モスクワ)ロシアの最高裁は先月22日、2006年にモスクワ市がゲイ・プライド・パレードの開催を許可しなかったことは適法であったとの判断を下した。最高裁は、モスクワ・プライド主催者にモスクワ市が開催許可証を発行しなかったことは、秩序維持のために行ったことで違法ではないとした。上訴裁の判決を支持した形。同日、365Gay.comが伝えた。
最高裁判決は「モスクワ市は、パレード参加者の安全確保と、(パレードに対する)抗議行動を防ぐための手段がほとんどないと判断した。開催不許可は、法律によって保護される原告の権利と利益を侵害するものではなかった」とした。
モスクワ・プライド主催者の訴えに対するロシア国内の司法機関の判断としては、今回の最高裁判決が最終のもの。同主催者は判決を不服とし、ストラスブールにある欧州人権裁判所に提訴する見通し。
モスクワ・プライド主催者のひとりニコライ・アレクセイェフ氏は、インタファクス通信に対し、「ストラスブールの裁判所が、長かったこの裁判に決着をつけてくれることは明らか。私たちは、ロシア国内の司法制度の枠組みの中で決着をつけようと、あらゆる努力をしてきた。欧州人権裁判所(への提訴)は、最後の手段だと考えてきた。しかし、ロシア当局は、国内でこの裁判を終結させることを望まなかった」と話し、第3回モスクワ・プライドの開催予定日の来年5月31日に、欧州人権裁判所が判決を下すと見られていることを明らかにした。
モスクワ・プライド主催者らが最初に裁判所に訴えを起こしたのは、安全上の問題を理由にモスクワ市がパレード開催許可の発行を拒否した2006年。(関連記事)
市側の開催不許可決定にもかかわらず、主催者らはパレードを強行。警察当局がパレードを止めに入り、アレクセイェフ氏を含む200人以上が一時拘束された。逮捕されたパレード主催者・参加者らに対する告訴は後日取り下げられた。
5月、モスクワ市はパレード開催許可発行を再び拒否。しかし、イギリス人LGBT権利活動家のピーター・タチェル氏や、トランスジェンダーでイタリア国会ウラジミール・ルクサリア議員、欧州議会のボルカー・ベック議員(ドイツ)やマルコ・カッパート議員(イタリア)など、およそ100人がパレードを行い、20人が逮捕された。
タチェル氏やルクサリア氏、欧州議会議員らは訴追を免れたものの、アレクセイェフ氏は先月9日、有罪判決を受け、1,000ルーブル(約4,700円相当、6月26日現在)の罰金を言い渡された。
モスクワの裁判所は4月、プライド・パレードを「邪悪」だと発言したユーリ・ルシコフ・モスクワ市長に対してLGBT権利団体が起こしていた名誉毀損の訴えについて、棄却する決定を下した。(関連記事)
裁判所は棄却の理由について、ルシコフ市長にLGBTの人びとを扇動的もしくは意図的に中傷する意図があったかどうかを、原告側が十分に証明できなかったためと説明。
今年1月、ルシコフ市長は、ロシア正教指導者らとの会談を前に、ゲイ・プライドについて、「邪悪」であると発言。同性婚やシビル・ユニオンにもふれ、「欧州には、同性婚を認め、学校で性教育を行っている国々がある。これらは、子どもへの大きな道徳的毒である」と述べ、その模様はモスクワのテレビで放送された。
欧州人権裁判所は、モスクワ・プライド主催者の訴えを聞き入れる形の判決を下すのではと見られている。5月、同裁判所は、レフ・カチンスキ・ポーランド大統領がワルシャワ市長だった2005年、モスクワ市同様にゲイ・パレードの開催を禁じたことについて、違法であり差別的だったとの判断を下している。(翻訳・編集 山下梓) |