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LGBT狙ったヘイトクライム 90%が届け出されず
2007/07/14 01:55
(英国)英国ウェールズ地域のLGBTを対象としたヘイトクライム(憎悪犯罪)が増加傾向にあり、そのほとんどについて届け出が行われていないことが、BBCウェールズの調査で明らかになった。先月25日、BBCが伝えた。
調査によると、ウェールズのLGBTの5人に4人が、言葉による暴力を経験。5人に3人が、身体的暴力にあったことがある。しかし、英国内務省の調べによると、事件の約90%について、届け出が行われていない。性的指向を明らかにせずに生活している人の場合、家族、友人、同僚に事実を知られることや、警察や裁判所で事件がどのように扱われるかについての不安や恐怖心が、要因となっていると見られる。
調査結果を伝えたBBCウェールズの番組「アイ・オン・ウェールズ」によると、イギリス検察庁や刑事裁判関係者は、LGBTを狙ったヘイトクライムの問題を認識しているという。また、関係当局は、LGBT権利団体「ストーンウォール」のウェールズ・オフィスと協働し、匿名での事件通報制度や裁判における被害者の身元保護などを実施し、事件の被害者に対し、届け出をうながす取り組みを進めている。
サウス・ウェールズ警察のピーター・ヴォーン本部長代理によると、法整備が進んでいなかったために、かなり最近まで、警察当局が性的指向にかんするヘイトクライムの捜査にあたる際には困難があったという。
また、ヴォーン本部長代理は、近年の法改正について、「数年前まで、個人を性的指向に基づいて不必要に起訴するような体制がありましたが、現在では、(警察当局が)LGBTコミュニティに積極的に関わり、状況が少しでも改善するよう努力しています。(そして実際に)状況が劇的に改善し嬉しく思っていますが、それもごく最近のことです」と語った。
ストーンウォールは、性的指向を理由としたヘイトクライムや同性愛嫌悪の扇動について、より厳しい法律が必要と指摘している。
イギリスでは2005年から、同性愛嫌悪的な意図を、量刑の際のひとつの要因としている。しかし、人種や宗教に関する嫌悪に基づく犯罪とは異なり、ホモフォビアに基づくヘイトクライムを特定の犯罪として取り締まる法律はない。
ストーンウォール・ウェールズ・オフィスの公共政策問題担当マシュー・バトンさんによると、ストーンウォールは現在、性的指向に基づくヘイトクライムを、新たな犯罪として法律に規定するよう政府に働きかけている。
先月、英国国会には刑事裁判法案が提出された。バトンさんは、「法案が(性的指向に基づくヘイトクライムを)規定するよう望んでいます」と話した。(翻訳・編集 山下梓) |