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尾辻かな子さん落選 「これが日本のLGBTの現実」
2007/07/30 15:15
(東京)29日、第21回参院選の投開票が行われた。民主党から比例選に出馬したレズビアンで前大阪府議の尾辻かな子さん(32)の初当選はならなかった。尾辻さんが当選すれば、同性愛者であることを公にした日本初の国会議員誕生となるはずだった。
121の改選議席のうち、政党別獲得議席は、自民党37、公明党9、民主党60、共産党3、社民党2、国民新党2、新党日本1、無所属7。投票率は58.64%。
尾辻さんは、年金記録漏れ問題や与野党逆転などの他、性的マイノリティを対象に含む差別禁止法の制定や、同性パートナーの法的保障、偏見のない教育の必要性を説いた。性的マイノリティだけでなく、女性、子ども、HIV陽性者、障がい者、在日外国人や被差別部落出身者などのマイノリティの視点に立った政策や、多様性の認められる社会、命の大切にされる社会、環境と平和などについても訴えたが、当選ラインの68,000票には届かず、得票数は38,933となり、外国特派員協会で「日本で声を上げることができずにきた性的マイノリティの声を集められれば、当選圏内の15万票は獲得できる」とした自身の予想も大きく下回った。(関連記事)
東京や埼玉などの都市部を中心に選挙戦を展開したが、当選には結び付かなかった。30日付読売新聞(電子版)は、正式な公認が5月と出遅れたため、知名度を上げることができなかったことが敗因と見ている。
尾辻さんに投票したというゲイ男性は、選挙結果について、「もう少しいくかなと思ったのですが、残念。でも、これが今の日本のLGBTの現実」と話した。
ゲイジャパンニュースの望月洋代表は、「民主党が同性愛者である尾辻さんを公認したことは大きな前進。ただ、思ったよりも得票数が伸びず、LGBT有権者が尾辻さんを国会へ送れなかったことは、LGBTの可視化や社会的地位の向上を今後進めていく上で大きな打撃」と見ている。
尾辻さんの立候補について、国内メディアでは朝日新聞、毎日新聞、読売新聞などがとりあげた他、日本テレビの情報番組「NEWS ZERO」なども紹介した。海外のメディアでは、ロイター通信、AFP通信、AP通信やCNN、ドイツのDPA通信などが伝え、「保守的な日本で同性愛者であることを公にした候補者が当選できるのか」と注目していた。
尾辻事務所関係者のひとりはゲイジャパンニュースの電話取材に対し、「知名度が足りなかったかもしれない。特定の候補を応援している場合に、政党名ではなく個人名を書いて投票するという比例代表の(投票の)しくみが浸透していなかった」と語った。
望月代表は、落選の最大の要因について、「首都圏だけでなく、地方にもいるLGBT当事者に、(尾辻さんという候補がいるとの)情報が届いていなかったのでは」と話し、「LGBTの権利擁護が進んでいる海外の国々に比べて、日本にはLGBTの大きな支援団体がなく、LGBTの権利や政治をとりあげる雑誌やLGBT情報サイトが少ないため、知名度や理解が思うように得られなかったと思う」と加えた。
関係者によると、尾辻さんは、「落選はしたが、新しい動きへのきっかけをつくることができたのではないか」と話しているという。(編集 山下梓)
>>尾辻かな子公式ホームページ
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