ニュース
ポーランド総選挙 ホモフォビックな首相率いる与党敗北 政権交代へ
2007/11/02 07:15
(ワルシャワ)先月21日に行われたポーランド総選挙は即日開票され、ホモフォビック(同性愛嫌悪的)な発言の耐えなかったヤロスワフ・カチンスキ首相率いる与党「法と正義」が中道右派最大野党「市民プラットフォーム」に敗れた。右派政党「法と正義」は第2党に転落し、政権交代が実現する。
ポーランドのLGBTニュースサイトHomiki.plによると、投票率は過去最高の53.88%で、獲得議席数は「市民プラットフォーム」が209、「法と正義」166、「左派民主主義者」53、「ポーランド農民党」31。選挙は比例代表制で行われ、「自衛」や「ポーランド家族同盟」などの政党は議席獲得に必要な得票率5%に達しなかった。
「法と正義」のヤロスワフ・カチンスキ首相はレフ・カチンスキ大統領の双子の兄にあたる。カチンスキ大統領はワルシャワ市長時代の2005年6月、同市におけるゲイ・プライド・パレード開催を不許可に。2004年には、パレード開催禁止に対してLGBT団体が行った抗議行動について「このような(同性愛)などの性生活が認められれば、人類は滅亡する」「男性と女性の間の伝統的つながりが疎かにされたとして、どのような変化が起こるか想像すべき」と述べた他、今年3月には公式訪問先のアイルランドで「同性愛を容認することは人類破滅を導く」と発言。カチンスキ首相は、これら大統領の反同性愛の姿勢を支持していた。(関連記事)
総選挙の結果について、Homiki.plのポール・ウォルザックさんらは、「多くの有権者が「法と正義」を支持せず「市民プラットフォーム」に票が流れた。「市民プラットフォーム」がLGBTの権利保障を行うと公約しているわけではないが、恐らく、多くのLGBT有権者が「市民プラットフォーム」を支持したのでは」と話す。
一方、ポーランドのLGBT団体ポーランド・イクオリティ・ファウンデーションのルーカス・パルツキさんは「「市民プラットフォーム」も「法と正義」と同様にホモフォビック。市民プラットフォームの議員にはホモフォビックな発言の記録があり、LGBT市民の多くは「左派民主主義者」に投票したのでは」と話し、「この先数年間は、ポーランドでLGBTの権利保障が実現することはないのでは」という。
カチンスキ政権でポーランドは、同性愛者の人権侵害について、欧州連合(EU)から警告を受けた。昨年、欧州委員会は、ポーランド政府が同性愛者の権利に反対の立場をとり続ける場合、EUにおける発言権を剥奪する考えを明らかにした。
「市民プラットフォーム」は対米協調派でEUや隣国との関係を重視するが、カチンスキ大統領が3年の任期を残して法案拒否権を持っており、厳しい政権運営を迫られる可能性もある。(翻訳・編集 山下梓) |