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米下院 雇用差別禁止法案可決 トランスジェンダー労働者保護規定なく
2007/11/13 20:04
(ワシントン)米連邦下院(定数435)本会議は7日、雇用における同性愛者への差別禁止を定めた法案を賛成235、反対185で可決した。法案にはトランスジェンダー労働者に対する差別禁止は盛り込まれておらず、LGBT権利団体やLGBTを支持する一部の民主党議員らが反発している。同日、365Gay.comが伝えた。
法案は当初、同性愛者に限らず、トランスジェンダー労働者に対する差別の禁止も規定していた。しかし、ゲイであることを公にしているバーニー・フランク下院議員(マサチューセッツ州、民主党)が、トランスジェンダー保護規定を盛り込んだ法案では委員会での可決が難しいとして、同規定を削除。
これに対し、レズビアンであることを公にしているタミー・ボールドウィン下院議員(ウィスコンシン州、民主党)が、トランスジェンダー労働者の保護規定も盛り込んだ法案の修正案を提出していたが、下院本会議での採決前に取り下げた。
雇用差別禁止法案は、採用、雇用、昇進、給与において、労働者を性的指向に基づき差別することを禁止する内容。
ジェラルド・ナドラー下院議員(ニューヨーク州、民主党)は、トランスジェンダー労働者への保護規定を削除した形の法案に異議を唱える。同議員は、「トランスジェンダー労働者への差別禁止を規定しない法案の方が、本会議で可決される可能性が高いと思っている人がいる。トランスジェンダー・コミュニティに対する敵意や無知のためにそうしているのではなく、戦略としてそれがベストだと思っているようだ」と述べた上で、「しかしやはり、LGBTコミュニティのすべての人たちが適切に保護される法案であることが望ましいと信じている」と話した。
この他、民主党内にはボールドウィン議員が修正案を取り下げたことに対する懸念の声も上がった。
共和党議員の大半は法案に反対。賛成票を投じた数少ない共和党議員のデボラ・プライス議員(オハイオ州)は、「生計を立てるための基本的権利を規定したこの法案は、政党やイデオロギーに関係なく、議員全てが成立を支持すべき原則」と話している。
法案支持を表明している主なLGBT権利団体はヒューマン・ライツ・キャンペーンのみ。300を超えるアメリカ国内のLGBT権利団体は共同で、トランスジェンダー労働者保護規定を盛り込まない法案には賛成できないとの立場を表明している。
アメリカのLGBT権利団体は、1970年代にベラ・アブザグ共和党議員(ニューヨーク州、当時)が初めて同様の法案を提出して以来、法案の成立に向けてくり返し働きかけを行ってきた。365Gay.comによると、雇用における同性愛者に対する差別を禁止する法案の採決が連邦議会で行われたのは、今回が初めて。
法案は上院に送られたものの、同法案とは別バージョンの、トランスジェンダー労働者保護規定を盛り込んだ法案の提出をエドワード・ケネディー上院議員(マサチューセッツ州、民主党)らが予定している。
法案は、下院以上に上院で支持を得る見通しだが、ブッシュ大統領は拒否権の発動を表明している。(翻訳・編集 山下梓) |