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違う形の“クローゼット”
2007/01/20 12:37
(イギリス)「ドメスティック・バイオレンス」と聞くと、多くの人は、女性や子供に対しての暴行・虐待を思い浮かべることだろう。しかし最近では同性カップルにおける暴行の数が増加している。
昨年11月にサンダーランド大学のキャサリン・ドノバン博士らによって行われた「同性間および異性間におけるドメスティック・バイオレンスの比較調査」は、4人に1人のLGBTの人々が、同性との関係の中で、ドメスティック・バイオレンスを経験していると試算している。
他の調査によると、同性間のドメスティック・バイオレンスは、異性間のものと非常に似通っているとしているが、違いはどうやって犠牲者たちが助けを求めるかという点だという。同性間のドメスティック・バイオレンスの被害者は、暴行事件として警察に助けを求める傾向が少ない。その理由には、犠牲者たちがそれをドメスティック・バイオレンスとして認識していない点や、自分が非難されるべきことだと信じがちな点などがある。また、警察や関係機関に連絡しても、同情的な反応してもらえないのではないかという恐れも指摘されている。同性愛者の虐待が表に出てこないのは、表沙汰にすることにより、同性愛嫌悪による更なる問題が、自分の身に降りかかるのではないかと心配しているためだというのだ。
「同性間および異性間におけるドメスティック・バイオレンスの比較調査」によると、異性のパートナーから暴行をうけた女性が警察に助けを求める傾向があるのに対し、同性との関係で暴行を受けた被害者は、友人に助けを求める傾向があるという。
加害者の性的指向や性別に関係なく、ドメスティック・バイオレンスは身体的強さよりも、パートナーとの力関係によってひきおこされる。被害者たちはしばしば、精神的・感情的虐待は、肉体的暴行よりもダメージが大きく、その傷は肉体的な傷より永く残ると語る。
調査に参加したクリス・ライル氏は「“男性=加害者、女性=被害者”という伝統的な視点が学会上の議論を支配し、違った形の親密な関係におけるドメスッティック・バイオレンスへの理解の欠如へとつながっていた。つまり、異性愛者の女性だけではなく、同性愛者の男性・女性にも助けが必要だということです。」と語る。
同調査によると、ドメステッィック・バイオレンスは同性間の関係において、非常に大きな問題であり、男性がパートナーから暴行を受けることが多いとし、レイプのような犯罪行為が公にならないのも、被害者が公表することを恐れているためと推測している。
「ドメスティック・バイオレンスは異性間だけの問題ではない」という啓蒙により、より多くの情報を有効にし、効果的な助けの手をさし伸べることができるようになると提言する、同調査は次のように締めくくられている。「LGBTコミュニティーに対してだけではなく、国全体にドメスティック・バイオレンスに対する理解の深刻な欠落がある。」 |