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イギリス イラン人レズビアン強制送還の恐れ、ゲイ男性も
2008/03/08 01:47
イギリスに亡命したイラン人レズビアンが再び、そして新たにイラン人ゲイ男性も、本国への強制送還の可能性に直面している。7日、インディペンデント紙(電子版)などが伝えた。
強制送還の恐れに直面しているのは、イラン出身でレズビアンのペガー・エマンバクシュさん(40)と、同じくイラン出身でゲイのメディ・カゼミさん(19)。
エマンバクシュさんは2005年、同性パートナーが性的指向を理由に逮捕・死刑判決を受けた後、身の危険を感じ、イランを離れイギリスへ渡った。エマンバクシュさんの父親は、エマンバクシュさんの渡航後、エマンバクシュさんの居場所などについてイラン当局の取り調べを受け、拷問された。(関連記事)
イギリス政府は昨年夏、エマンバクシュさんをイランに強制送還する予定だったが、イタリアや日本を含む各国のLGBT権利団体・個人からの反対が強まり、延期。エマンバクシュさんはシェフィールドにある施設に収容され、再度難民申請を行っていた。
しかし、上訴裁判所はエマンバクシュさんの難民申請を再び却下。エマンバクシュさんの代理人が6日明らかにしたところによると、エマンバクシュさんは裁判所の決定に「非常に失望している」といい、「絶対に、絶対に(イランには)帰らない。帰ったら、きっと殺される」と話しているという。
エマンバクシュさんは、司法審査を求めて高等裁判所へ上訴する見通し。
ゲイのメディ・カゼミさん(19)は2004年、語学留学のためロンドンへ渡った。しかし留学生活を始めて約2年経ったところで、イランに残したパートナーが同性愛の罪で警察当局に逮捕・処刑されたことを知った。
テヘランで暮らす父親との電話で、パートナーが処刑前に当局の取調べを受け、その中でカゼミさんとの関係を漏らしていたことを知った。そのため、自身もイランに戻れば処刑されると考え、イギリスで難民申請。
しかし2007年、申請は却下。その後、カゼミさんは、イギリス政府による強制送還を恐れ、現在収容されているオランダへ向かった。
カゼミさんの身柄をめぐっては、現在、オランダの裁判所がイギリスへの送還の是非を審理中。今月中にも判断を下すものとみられているが、オランダ政府が身柄をイギリスに移すことを決めれば、カゼミさんはイギリス政府によりイランへ強制送還される可能性がある。
イギリスでは、60人を超える国会議員が、性的指向を理由に難民申請を行っている同性愛者が国内に数十人はいることを指摘した上で、ゴードン・ブラウン首相に対し、カゼミさんの強制送還について決定を保留するよう要請。
欧州議会で同性愛者の権利にかんする委員会に所属するバロネス・ラドフォード議員は、「迫害の本当の教父、強制送還された場合にカゼミさんが直面する死刑(という危険性)について認識し、理解しなければならない」と訴え、カゼミさんの身柄取り扱いについて緊急に見直しを行うよう、ジャッキー・スミス内相に要望書を提出している。
イギリス内務省は、エマンバクシュさん・カゼミさんいずれのケースについても、「イランが同性愛に対して慎重であることが事実だとしても、処刑することはない」との姿勢をとっている。
これに対し、難民申請を行う同性愛者のための支援団体「Gay Asylum UK」のオマル・カッダスさんは、イラン人同性愛者らが「同性愛の罪」により実際に処刑されていることを指摘した上で、イギリス政府に対し、性的指向に基づく死刑の可能性を理由としたゲイ男性やレズビアンをイランへ強制送還しない姿勢をとっているオランダ、ドイツに倣うよう訴えている。
イランでは、1979年のイラン・イスラム革命によりイスラム教シーア派の法学者を中心とする体制が導入されて以来、4,000人以上の同性愛者が処刑されたとみられている。(翻訳・編集 山下梓) |