ニュース
アルブール国連人権高等弁務官、今月一杯で任期終了
2008/06/24 07:08
国連人権高等弁務官としてLGBTIの人権について発言してきたルイーズ・アルブール氏(61、写真)が今月30日で任期を終える。
アルブール氏は、ルワンダおよび旧ユーゴスラヴィア国際刑事裁判所の主任検察官、カナダ最高裁判事を経て、2004年7月、故セルジオ・ビエイラ・デメロ氏の後任として現職に就任した。
任期中の2006年6月には、経済社会理事会(ECOSOC)の委員会のひとつだった人権委員会が廃止され、人権理事会に発展。
同年7月には、カナダ・モントリオールで行われたLGBT人権国際会議に、ヒーナ・ジラーニ人権擁護家に関する国連事務総長特別代表らとともに出席。4日間にわたり行われた会議の初日にスピーチを行い、合意に基づく同性間の性的関係の違法化、性別適合手術の禁止や、本人の意思に反して行われるインターセックスの人に対する手術について、「国際人権基準を侵害するものであることは明らか」と述べた。(関連記事)
アルブール氏は、「LGBT個人に対する暴力は、概して通報されることなく、文書にも載らず、(加害者は)全く罰せられていない」とし、この状態を「恥ずべき沈黙」と指摘。「LGBT個人を普遍的人権という基本的原則から排除することは、明らかな国際人権法違反に当たる」とも発言した。
LGBTの人権以外では、アルブール氏は、ジンバブエ政府や中国政府による人権侵害への批判的発言や、イラク戦争反対の姿勢をとってきた。
第7回人権理事会会期中の今年3月、アルブール氏は、2期目を務めない意向を潘基文国連事務総長に伝えていた。
アルブール氏の退任については、国連でのLGBTIの人権にかんする議論が停滞するのではとの懸念を抱いているLGBTI団体もある。トランスジェンダー/トランスセクシュアルの人権問題に取り組む、インターナショナル・レズビアン・アンド・ゲイ・アソシエーション(ILGA)のトランス事務局は5月発行のニュースレターで、「アルブール氏の退任で国連がLGBTIの人権への興味をなくすことなく、性的差別・ジェンダー差別への取り組みが続くよう望みたい」としている。
アルブール氏の後任については、現在選考が進んでいる。19日にヒューマン・ライツ・トリビューンが伝えたところによると、前・国連人権理事会議長のルイス・アルフォンソ・デ・アルバ氏(メキシコ)、国際刑事裁判所判事のナヴァネセム・プッライ氏(南アフリカ)、ジェノサイド予防に関する国連特別顧問のフランシス・デン氏(スーダン)、東ティモール大統領でノーベル平和賞受賞者のジョセ・ラモス=ホルタ氏(東ティモール)の4名が候補者として挙がっている。近日中に潘事務総長が決定し、任命する。(翻訳・編集 山下梓) |