ニュース
フィリピンの活動家ら、性的指向・性自認による差別禁止法案の通過求める=医療現場での差別事件受け
2008/06/26 06:08
2007年12月、ゲイ男性が直腸の手術の模様を同意なしにビデオ撮影された事件を受け、フィリピンのLGBT活動家らが議会に対し、性的指向や性自認に基づく差別の禁止を定めた法案の通過を求めている。11日、インターナショナル・ゲイ・アンド・レズビアン・ヒューマン・ライツ・コミッション(IGLHRC)が伝えた。
花屋の店員であるダニロさん(39)は昨年12月のある夜、同性のセックス・ワーカーと性的関係を持った。翌日起きると直腸に香水瓶を刺されており、フィリピン中部セブ市の政府系病院「ヴィンセント・ソト記念病院」で手術に臨んだ。
この手術の模様を看護学生が、ダニロさんの同意なしに撮影。医師や看護師が、手術台に上がったダニロさんを囲んで、大はしゃぎで笑いながら手術を行う様子が収められ、学生はこの動画をインターネットの動画共有サイト「You Tube」に投稿した。
先月20日にIGLHRCが伝えたところによると、フィリピン保健省は、患者のプライバシー権を侵害したなどとして、手術に当たった医師のうち2人と、看護師1人を停職3ヶ月とした。看護学生については、処分はなかった。
LGBT団体「Ang Ladlad」は、この学生について「看護師になる資格はない」として、看護士試験の受験資格剥奪の他、手術に関わった医師は全部で7名、看護師は5名いるはずだとして、12人すべての処分を求めている。
処分を受けた医師が所属する医師会は、決定を不服として申立て。処分により「セブの医療サービスが滞ってしまう」と話しているという。
フィリピンでは1999年、LGBT団体「Lesbian & Gay Legislative Advocacy Network」が「性的指向と性自認に基づく差別を禁止し、処罰する法律」の草案を作成。差別禁止法案として2000年以降、議会にたびたび上程されているが、成立には至っていない。現在は、人権にかんする上院議会の委員会での審議を待っている状態。
法案の4条(e)と(g)は、病院など医療施設における差別を禁止する規定を盛り込んでいる。
Ang Ladladはダニロさん支援のため、法律家チームの結成と、事件による心理的ショックに対処するためのセラピーを申し出ている。(翻訳・編集 ゲイジャパンニューススタッフ) |