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立命館大、トランス写真展を無断撤去
2009/02/08 02:14
トランスジェンダーの人びとの現状を知ってもらおうと立命館大学(京都市)で開かれていた写真展「身体と性―この曖昧な点と線」が、大学側から主催者に無断で撤去された。1月25日、京都新聞が伝えた。
写真展は立命館大学グローバルCOEプロジェクトの一環として同大学の院生プロジェクト「クィア・スタディーズ研究会」が企画。「性の領域で不当に尊厳を奪われ、隠されてきた人の存在を問題提起」することを目的として、トランスジェンダーの5人をモデルにした写真を、キャンパス内のラウンジに計90枚、趣旨文とともに展示した。大学側には写真展の企画趣旨が事前に説明され、了承を得ていた。
写真展は、先月25日に企画されたシンポジウム「ナルシストランス宣言」に合わせて19日から30日まで開かれる予定だったが、20日と23日に大学側が主催者に無断ですべて撤去。京都新聞によると、主催者が原状回復を求めて抗議すると、当局は「過激で、公共の場にふさわしくない」と説明したという。
大学側は報道を受けて、ホームページの在学生向けページに「『G-COE院生プロジェクト・写真展』展示の撤去に関わる経緯と今後の対応について」と題した文章を掲載した。事前に企画を承認したものの、「実際に掲出された展示を確認したところ、提示は不特定多数の学生が出入りするラウンジという展示場所との関係上、適切なものではなかった」、「複数の学生から撤去してほしいとの声が寄せられた」ため、「一旦展示物を撤去した」と説明している。
これに対し、クィア・スタディーズ研究会代表のヨシノユギさんはナルシストランス宣言ホームページ上で、大学側の見解について「事実に大きな食い違いがあると考えている」と述べている。
報道によると、主催した大学院生らは無断撤去を「表現の自由を踏みにじる行為」と抗議しており、主催者側関係者もブログで撤去について「暴力的行為」としている。(編集 ゲイジャパンニューススタッフ) |