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クロアチア 5年間精神科病院に女性監禁=性的指向理由に
2009/02/16 22:26
クロアチア西部のリイェカ近郊で、性的指向を理由に女性が5年間精神科病院に入院させられていたことが分かった。先月20日、クロアチアのLGBT団体ネットワーク「LGBTIQコーディネーション・オブ・クロアチア」が明らかにした。
監禁状態におかれていたのはアナ・ドラギチェヴィッチさん(21)。ドラギチェヴィッチさんは16歳のとき、同性のパートナーがいることを両親に知られ、精神科病院に入院させられた。
クロアチアで法的に成人とされる18歳のときに病院を出たが、間もなくして両親に連れ戻された。ドラギチェヴィッチさんは再入院の書類への署名を拒否したが、両親の強い意向と当時の病院長が両親の意向を尊重したことから再入院させられ、違法な監禁状態におかれた。
LGBTIQコーディネーション・オブ・クロアチアによると、クロアチアでは、精神科病院への強制入院は、自己または他者に対して危害を及ぼす可能性のある場合に限り認められている。ドラギチェヴィッチさんの入院当時、公式な入院理由は「ドラッグ中毒」とされたが、自己または他者に対して危害を及ぼすという法的理由は認めらなかった。ドラギチェヴィッチさんに対しては、性的指向の「治療」が行われたという。
ドラギチェヴィッチさんは16歳で入院させられて以降、教育を受けていない。体重も激減したという。
LGBTIコーディネーション・オブ・クロアチアは、ドラギチェヴィッチさんが性的指向を理由に基本的人権や自由に対する権利、精神的健康に対する権利を侵害されたとして、関係機関に対し▽事件の調査、▽入院を認めた当時の病院長・病院スタッフとドラギチェヴィッチさんの両親ら関係者の起訴を求めている。(翻訳・編集 ゲイジャパンニューススタッフ) |