ニュース
米 レズビアンへの人工授精拒否訴訟が和解
2009/10/08 12:57
カリフォルニア州在住の女性が、性的指向を理由に人工授精治療を拒否した元主治医らを相手取って起こしていた裁判で、先月29日、和解が成立した。翌日、AP通信が伝えた。
グアダルーペ・ベニテスさん(36)とベニテスさんの同性パートナーは、2001年、性的指向を理由に人工授精治療を拒否されたとして、ヴィスタにあるNorth Coast Women’s Care Medical Groupを提訴。昨年、カリフォルニア州最高裁が、同州法が定める性的指向による差別の禁止は、医療現場にも適用されるとし、キリスト教を信仰する医師が宗教的信条を理由に医療行為を拒否することは違法であるとの判断を下していた。
医師とベニテスさん双方の弁護人は、金額は明らかにしないものの、金銭により和解に至ったことを明らかにした。
和解を受けて医師側は、レズビアンやゲイを含むすべての患者に、自分たちの医療施設で歓迎されていると感じてもらいたいとの声明を発表。
ベニテスさんは、元主治医から、信条上の異論を持たない別の医師への紹介を受け、これまでに3人の子を出産。「ここにたどり着くまで、長くつらいたたかいだった。カリフォルニア州のみならず全米において、人の役に立つような法的変化をもたらすことができたと思う」と語っている。
ベニテスさんの弁護人は医師側の声明を「勇気づけられるものだった」と歓迎した上で、「社会が不寛容に背を向け、インクルーシブな社会に向かって歩んでいることが示された」と加えた。(翻訳・編集 ヨシ) |