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トルコ最高裁 LGBT団体の活動継続認める判決
2009/02/08 02:07
トルコの最高裁判所は、イスタンブル市当局が道徳法に違反するとして活動停止を求めていた同国最大のLGBT権利団体ラムダ・イスタンブル(Lambda Istanbul)について、市の訴えを認めた下級審判決を却け、活動の継続を認める判決を下した。先月21日、Pinknews.co.ukが伝えた。
2008年5月、イスタンブルの下級裁判所は、道徳法に反するとしてラムダ・イスタンブルの活動停止を求めていたイスタンブル市市民活動団体担当局を認め、トルコ憲法41条と刑法に基づき、ラムダ・イスタンブルが家族の平和と公共の福祉を乱したとして活動停止を命じた。
しかし先月20日、最高裁判所は「団体の活動や名称、結社の自由は、トルコの道徳観に矛盾するものではない」として、下級審の判断を却けた。
ラムダ・イスタンブルは1993年設立。性的指向と性自認に基づく差別からのLGBTの人びとの法的保護などを訴え、2006年に市民団体としての登録を認められた。
ラムダ・イスタンブルに対する活動休止要求はこれが初めてではなく、2007年10月にも、同様の事件が起きた。(関連記事)
2005年には、ラムダ・イスタンブルのケースと同様に、当局が「道徳法違反」を理由に首都アンカラで活動するLGBT団体Kaos GLに活動休止を迫った。(関連記事)
トルコは正式なEU(欧州連合)加盟候補国として認定されているが、人権における取り組みが加盟交渉の足かせとなっている。ラムダ・イスタンブルに対する活動休止命令が出た後、欧州議会はトルコ政府に対し、トルコが批准している欧州人権条約に規定されている表現および結社の自由を保障するべきと勧告した。欧州議会のLGBTの権利に関するインターグループ副議長リッシー・グレーナー欧州議会議員(ドイツ)は、「今後、トルコのEU加盟をめぐって、同国におけるLGBTの人びとの権利の尊重について特別な注意を払っていきたい」と述べている。(翻訳・編集 Toma) |