ニュース
ナイジェリア議会 同性婚禁止法案可決
2013/07/03 07:04
ナイジェリア国会下院は5月30日(現地時間)、同性愛を違法とする同性婚禁止法案を全会一致で可決した。人権NGOは、法案の取り下げを求めている。
法案は、ナイジェリア国外で行われた同性婚を含む一切の同性どうしの関係とそれに伴う保障を否定。さらに、同性愛者の集会を禁止し、同性どうしの関係に関与した個人や団体に法的責任を問う内容で、同性愛者の権利保障について直接・間接的にでも関わった場合には10年以上の禁固刑を定めている。議会には、同性愛者を取り締まるための4千万ドル規模のインターネットプロジェクトも提案された。
ナイジェリアを中心に活動するキリスト教系セクシュアル・マイノリティ人権団体のハウス・オブ・レインボー・フェローシップは、先月5日、声明を発表。「同性愛はアフリカ的でなく、宗教に反し、西洋の輸入物と広く信じられていることは知っているが、同性愛はアフリカの文化・歴史の中に存在してきたし、祝福する宗教もある。同性愛を違法とする法律こそ、植民地時代の不正義であり輸入物」とし、議会上下両院と大統領に対し、法案の取り下げを求めた。
法案は、グッドラック・ジョナサン大統領が署名すれば、成立する。
今月1日、ナヴィ・ピレイ国連人権高等弁務官はBBCのテレビ番組「Have Your Say」の中で、「LGBTの人々は権利を侵害され、差別にさらされており、大変危惧している」とした上で、法案について「ナイジェリアの国内法、それから世界人権宣言が定める平等を侵害するもので、非難する」と発言した。
ナイジェリアは人口約1億6千万で、北部ではキリスト教、南部ではイスラム教、全域で伝統宗教が信仰されている。1960年にイギリスから独立したが、植民地時代に持ち込まれた同性間行為を禁止する法律は維持された。同様の法案は、2006年からくり返し議会に提出されてきた。(翻訳・編集 山下梓) |