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国連人権理事会「家族の保護」決議を採択
2014/07/13 10:51
(スイス・ジュネーブ)国連の人権理事会は先月26日、「家族の保護」に関する決議を採択した。人権高等弁務官による家族の地位に関する報告書の作成と、9月会期に「家族の保護に関する問題」についてのパネルディスカッション実施を求める内容。
決議を提出したのは、中国、エジプト、ロシア、シエラレオネ、ウガンダなどの13カ国。26カ国が賛成、日本を含む14カ国が反対、6カ国が棄権した。(理事国の投票結果は以下をご覧ください)
決議は、「家族」を定義していないが、「families」(複数形)ではなく「family」(単数形)を用いており、家族のあり方を限定的、排除的にとらえた表現。今後、国連での議論において、同性カップルやひとり親など多様な家族の権利に反対する根拠として使われる可能性がある。
チリ、ウルグアイ、アイルランド、フランスの4カ国は、「異なる文化的、政治的、社会制度のもとにさまざまな家族が存在する」ことを強調した修正を提案した。これに対し、ロシアが、修正案に関する採決を行わないとするノーアクション動議を提案して22対20で可決されたため、修正案に関する議論自体が見送られた。
サウジアラビアは、制限的な婚姻の定義を盛り込むよう求めていたが、チリ、ウルグアイ、アイルランド、フランスの修正案に関する議論が見送られたことを受け、働きかけを弱めた。
多様な家族を排除する形の決議を支持した国は、採択が決まった瞬間、拍手で歓迎した。(翻訳・編集 ゲイジャパンニュース)
賛成:アルジェリア、ベニン、ボツワナ、ブルキナファソ、中国、コンゴ、コートジボワール、エチオピア、ガボン、インド、インドネシア、カザフスタン、ケニア、クウェート、モルディブ、モロッコ、ナミビア、パキスタン、フィリピン、ロシア、サウジアラビア、シエラレオネ、南アフリカ、アラブ首長国連邦、ベネズエラ、ベトナム
反対:オーストリア、チリ、チェコ、エストニア、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本、モンテネグロ、韓国、ルーマニア、イギリス、アメリカ
棄権:アルゼンチン、ブラジル、コスタリカ、メキシコ、ペルー、マケドニア
無投票:キューバ |